2009年9月 2日 (水)

A2

http://www.amazon.co.jp/A2-DVD-%E6%A3%AE%E9%81%94%E4%B9%9F/dp/B00009P68J/ref=pd_sim_d_1

森達也監督の「A」続編。1999年以降の上祐が出所するあたりからの記録となる。前回の「A」は警察との揉み合いが一つのクライマックスであったが、今回は右翼と警察のやりあいが山場となっている。それぞれ、このクライマックスで緊張感を生み出している。

森達也氏の著書によれば、右翼は教科書を作る会などとは異なるという。右翼か左翼か、という二項対立に埋め込まれ、思考に深さも広がりも、想像力も欠落してしまっている私たちがいるのかもしれない。

そういうこともあるのだが、かなり筋が通っているように見えるのは私だけではないだろう。特に、「ではオウムの信者は何処へ行けばいいのか?」という問い。この点をマスコミは避けて来た。まるでオウムの信者が人間ではないかのように。

恐ろしいまでのスタンピードが手に取るようにわかる映像だが、しかし、一方でとても人間らしい地域との交流場面も映し出す。

何が人を変えるのだろう?

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい

これがこの映画の副題だそうだ。確かに。

| | トラックバック (0)

A

http://www.amazon.co.jp/DVD-%E6%A3%AE%E9%81%94%E4%B9%9F/dp/B00009P68I/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=dvd&qid=1251817226&sr=8-3

森達也監督のドキュメンタリー映画。オウムの側から観た日本、といったところか。

Aというタイトルは、広報副部長の荒木浩のイニシャルからとったもの。ちなみに、荒木浩は私と同い年だ。

森達也の視点はあるが、ドキュメンタリーだから、現実もう写しだす。このスタンピード現象が本当に現実のものかと受け止めかねてしまう。

スタンピード現象=牛の群れなどが、銃声などのきっかけでどっと一方向に逃げ出すこと。転じて、相場の世界では、参加者が群集心理として一つの方向に一気に流れていく現象

勿論、現実だ。その日本の1996年の事件以降、起こっていたのは確かだ。しかし、観た後も受け止められない自分がいる。一方、このスタンピード現象は現在も尚、爆走し続けている。それが小泉の構造改革であり、今回の民主党の大勝利、という現象に現れているように思う。徐々に変化していく社会も危険だろうが、一気に変化する社会もどこかおかしいように思う。

例えば、警察のあの対応はアメリカで白人が黒人に行っていたのを映像で見たことがある。それが日本でも簡単に起きてしまった。それが受け止めきれない。思いだすと、あれは演出だったのではないか、と思いたくなる(でも演出ではなく、現実だよ)。

凄まじいインパクトの映画。さて、「A2」を観よう。

| | トラックバック (0)

2009年8月31日 (月)

ラブストーリー

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC-DVD-%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%A8%E3%83%B3/dp/B00014N7MS/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1251699970&sr=8-2

韓国映画で「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督の作品。しかし、コメディではない。この親子を同一人物で配置する構想も凄いが、脚本のプロット一つひとつが生きており、それが心に届く。かなりよくできた恋愛映画。

| | トラックバック (0)

2009年8月22日 (土)

バットマン ビギンズ・ダークナイト

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%83%93%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%82%BA-%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%89%88-DVD-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3/dp/B00067HDW0

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88-%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%89%88-DVD-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3/dp/B001AQYQ1M/ref=pd_cp_d_0

ビギンズは現代風に訳した感じのバットマンが誕生するまでを描いている。ダークナイトはその続きでジョーカーが登場する。

やはり昔の物語で、バットマンがガンガン物を壊していったり、殴り(殺して?)いくのには思想的な時代背景を感じる。(構造主義の思想が無い)結局、バットマンも悪を滅ぼす方向に行っちゃうんじゃんって感じる。ダークナイトはラストシーンで観ている側がバットマンに同情するようにしているのだろうが、あまり同情できない。

ジョーカーもいまいち。何なのだろう?この違和感は?悪役を演じている、という風にしか観えない。悪役のジョーカーが憎いと思えない。ジョーカーに背景が無さ過ぎるからだろうか?

どちらかと言えば、ビギンズの方が面白く、ダークナイトは途中で飽きる。

| | トラックバック (0)

2009年8月 3日 (月)

MONGOL

http://www.mongol-movie.jp/

2008年公開の作品。これも撮り置きしていたもの。

チンギス・カンについては、殆ど知らない。高校の世界史で習ったきり。そのころ先生が、井上靖の「蒼き狼」の話をしてたっけか。

しかしアカデミー賞ノミネート作品ということと、浅野忠信主演ということで、知ってた方がいいだろうと思い、観てみました。少なくとも反町の方は観る気がしないので。

で、どちらかと言えば、連勝して支配する側ではなく、連敗して支配を拒む若き時代の方を描いている。

果たして浅野忠信のモンゴル語が通用しているのか否かは定かではないが、浅野のチンギスは、観ていて違和感は無かった。でも嫁は若すぎるだろ!って突っ込みたくなる。

| | トラックバック (0)

おくりびと

http://www.okuribito.jp/

素晴らしい。

職業ということを考えた時、私が必要とされるのか、私が必要とするのか、それとも世界に必要なのか、そういった視点がそのまま人の生き方に反映してしまう。これはどれがではなくて、どれも何だろうなぁ。そういうことを考えさせられた。

ラストの邂逅シーンは、人の咎というものの儚さというか、小ささというものを痛いほど味あわせてくれる。

久しぶりに心動かされる作品を観たな、という想いです。

| | トラックバック (0)

2009年8月 1日 (土)

HERO 映画

http://www.hero-movie.net/index.html

もっと近くなって、2007年のもの。むしろ、この映画を観ようと思い続けていたのだが、ドラマ自体観ていなかったので、観ることができなかった。この度、晴れてドラマと特番を観て、映画を観る基礎知識ができた。

さすがにドラマよりも木村拓哉が年をとっているので見やすくなった。

私は個人的に男性が長髪を振る(?)仕草が嫌い。あれは女性の仕草で男性がすべきではないー生理的に受け付けないからしょうがない。そういう意味で木村拓哉が見やすくなった。木村拓哉よりも、田中要次とか、阿部寛の方が魅力がある。

さて、ストーリーだが、テレビから映画のスイッチは、長いがゆえにテンポが消えてしまう事がある。そのテンポは前半は良いが後半がダメ。なんだこりゃ?これは見どころを何と考えて観ているかということでもあるのだが、私の見どころと考えているところが、ことごとくテンポが悪い。

タモリの裁判シーンが見所であるのは、皆そうだとは思うが、その中で「どう矛盾を突くか」なのだと思うのだが、それが「チームでの取り組み方」に行きついてしまうと裁判でなくていい、なんて思うってしまう。ああ興醒め。

これだけ時間をかけて観るべきものであったのか?複雑・・・

| | トラックバック (0)

HERO 特別篇

http://ja.wikipedia.org/wiki/HERO_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)

こちらは比較的新しく、2006年の特番。しかし、イマイチ。映画へのブリッジとしての特番だろうが、この筋書きは踊る大捜査線と同じではないか。やや腹立たしく観た。

| | トラックバック (0)

HERO 1~11話

http://ja.wikipedia.org/wiki/HERO_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)

いやー、時の流れは速い。正月にやってた再放送を録画して、全く観てなかったので、HDを空けたいという思いから、一気に観ることとなった。

この半年も早かったが、しかし、このドラマ、2001年にやっていたと知ってまた驚き。当時、殆ど観る気なかったので気にしていなかった。おぼろげにやっているな・・・くらいで。しかし8年も経っているとは・・・。

木村拓哉はあまり好きでない俳優の一人。しかし、彼の出るドラマは周辺が固く守られていて、かなり出来のいいものが出来上がってしまう。

このドラマも同様だった。かなり出来がいい。脚本も演出も練られている。

| | トラックバック (0)

2009年7月31日 (金)

全然大丈夫

http://zenzenok.jp/indexp.html

なんなのだろう?この映画は・・・

予告のときから魅了され、しかし、映画館に行ってまで観る気は起きない。せいぜいレンタルか?、とも思える。

一方、平日の昼間に観たら、その雰囲気と共に相乗効果的に、さぞ楽しいだろう、と思いつつ、観には行かなかった。生活の中で「のほほーん」と映画を観に行く余裕が無くなっている自分に気づくのです。

さて、そんなところで、偶然、この夏休みの「のほほーん」期間に入ろうとした、その矢先、WOWWOWで放映してしまいました。深夜とは言え、最後まで観てしまいました。

カロリーメイトのCMでおなじみの荒川良々(あらかわよしよし、と読むらしい)が主演。まさに掴みどころの無いキャラで登場している。そして、いそうな、いないような引き籠りでもないのだけど、コミュニケーション下手で不器用な役を木村圭乃。

話が進行していくわけでもないのに、最後まで飽きない。キャラも含めて「ありそうな・ないような」話が延々と続くのにも関わらず、だ。キャラと演出、そして小道具が優れている映画なのだろうなぁ。

HPを観ただけでも、その「きもかわいい」演出は感じることができる。

まだ、シネマトラースでやっているらしい。

| | トラックバック (0)

2009年7月26日 (日)

ライラの冒険 黄金の羅針盤

http://lyra.gyao.jp/

馬鹿にして観たのだが、かなり面白い。

何が面白いかといえば、魂と肉体を分離して例えているところ。その一つひとつの場面が意味深で意図的だと思われる。

続編が必ずある、というエンディングでした。

| | トラックバック (0)

2009年7月25日 (土)

劔岳 点の記

http://www.tsurugidake.jp/

TVで宣伝しているほど、撮影が困難だったという感じがしないのが残念だったが、工学系の方は一見の価値があると思う。

測量という観点もそうなのだが、「なぜ地図を作るのか?」という主人公の自分への問いと、そこから導かれる主人公の(正解ではなく)答えが生きる意味というものについてメッセージ性を与えるものであるから。

映画としては、とてもじゃないが面白い映画ではない。「あっけない」と思わせる部分多数だし、脚本と演出は貧困と言わざるを得ない。

| | トラックバック (0)

2009年7月 5日 (日)

北の零年

http://www.kitano-zeronen.jp/

5年前の映画だが、開拓史ということであまり期待せず、前情報無しでレンタル。

時間は3時間弱。

見てから驚くキャスト陣。吉永小百合の映画だから、それは当然として、

渡辺謙・豊川悦司・柳葉敏郎・石田ゆり子・香川照之・吹越満・平田満・石原さとみ・鶴田真由・・・おまけに田中義剛。

一体全体どうしたの?って訊きたくなるけど、たぶん吉永小百合の鶴の一声で集まったのではないかとも思われる。製作費は15億円(たいていは10億くらい)。

内容だが、このキャストだから演技は抜群!とてもじゃないが、普通の映画ではあり得ない。脚本の甘さがある。前半はとてもいい感じで進むが、後半がキツイ!パタパタと時間軸の見えない中で進んでいく感じ。

でも、まあ、いいか。

| | トラックバック (0)

2009年5月31日 (日)

天使と悪魔

http://www.angel-demon.jp/

映画です。前回のダヴィンチコードも本を読んでからの鑑賞だったので、今回もその手順で観ましたが、がっかり・・・・。前回のまとめ方のほうが納得がいく。

時間としては3冊の文庫本が1冊にまとめられた感じ。間引きがひどい。なんで3時間で作らなかったのだろう?売れる見通しなかったのか?

ラストも大幅に変更してるし、2時間でまとめようとするから、トム・ハンクスが悩む時間が無い。なぜか瞬間的に謎を解いていくので、観ている人も解いている感じがしない。

さらにキリスト教的にはヴァチカンに気を遣った感がある。一つひとつのエピソードに触れない。原作のように容赦なくキリスト教の歴史を批判しない。一方で司祭が煙草を吸う場面を入れて司祭が俗的であることをアピールしているが、些細すぎて興醒めする。全体的に深さが無い。これがインパクトを変えてしまう。期待しすぎだったかもしれないが・・・。

キャストの使い方も問題あり。誰が主役かわからないような脚本。原作でかなり表立った動きをしていたアイエレット・ゾラーの存在感が薄い。

唯一良かったのは、ヴァチカン周辺の動画を観ることができたこと。HPもかなり凝ってます。立体感のあるサイトで、見応えがある。

前回、書き込み忘れたのだけれど、この「ローマ」「ヴァチカン」という設定は何か意図的に今流行りなのか?真保裕一の「アマルフィ」も同じような設定だったので、何かあるのかなぁ、何て思いました。

| | トラックバック (0)

2009年5月 6日 (水)

スラムドック$ミリオネア

http://slumdog.gyao.jp/

話題のアカデミー賞8冠のインド映画。何かと話題が集中したムンバイだが、私はいつからボンベイからムンバイになったのか知らん。いつの間にかなっていたが、現地語の名称に基づいて変更したらしい。

さて、映画だが、とびっきり面白い。といってもメッセージ性を強く押し出しているわけではない。おとぎばなしとして面白いのだ。脚本も時系列をバラしたりした展開もよい。子どもの演技も不自然さは無い。

クイズ$ミリオネアはイギリス発の番組らしいが、日本で放映されているのと似ていることは覚悟していたが、効果音や音楽まで同じであることに驚いた。そのくらい変えればいいのに。あまりに馴染み深い音楽が流れるのでちょっと身近に感じすぎる。

その一方で、スラム街という生活実態には遠さを感じた。クイズを通して、ヒンドゥー教とイスラム教の宗教問題を扱ったり、子どもを誘拐して盲目にしてまでお金を稼がせたりする実態映像には目を背けたくなる。

但し、この映画は人間関係が狭すぎる。世界が狭いのだ。主人公の人間関係は兄とラティカしか存在しない。他の人間関係で心動かされることが無い。そこに単調さを感じてしまうのは私だけだろうか?

とびっきり面白いのは最後の最後まで続く。インドでは映画館のステージで映画放映最中にも皆が踊るらしいのだが、それだけに音楽は迫力がある。また、最後に出演者全員(?)で踊るシーンで閉じるのだが(ここは北野武の座頭市と同じ)、その映像・音楽共に見ごたえがある。

インドという異文化の映像の中に浸りながら楽しめる映画で、とびっきり面白いです。

| | トラックバック (0)

2009年5月 5日 (火)

グラン・トリノ

http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/mainsite/index.html

素晴らしい。「GWに何を観るか」はとても迷ったのだが、この映画が特に予想できないのでこの映画を観た。グラン・トリノというのがフォードの車であることも観るまで知らなかった。

一時期、映画を面白かろうが、面白くなかろうが、売れていようが、売れていないだろうが、公開している映画を全て観ていた時期があった(10年ほど前だが)。そのうちに、映画の予告編を観ただけで何を売りにした映画かは予想がつくようになってしまった。今は、かなり精選するようになって、ストーリーや売りとしていることが何かが見えないものを観ている。だからGOEMONなんかは恐らく脚本が貧しいだろうなぁ、とか、バーンアフターリーディングはメッセージ性は無く、コメディと言っても向こう(海外)の笑いであまり笑えないんだろうなぁ、とか(基本的に欧米のギャグは面白いと思わないし、字幕で観てもタイミングがズレてる)そんな評価になるので観ない。コメディは邦画のほうがいい。歴史については知っていても知らなくてもイメージを映像化してくれているので、関心のある歴史の映画は観るようにしている。

その中で、この映画は予告編を観ても何もわからない。観たことのある俳優はクリント・イーストウッドだけ。ボーっと観る映画なのかな、とは思ったが、GWだし、アメリカの生活をのんびりと感じる映画もいいかな、なんていう曖昧な動機で映画館へ。

ところが、この映画、様々なところに仕掛けがあり、仕掛けがありすぎて、巧妙だ。

まず、グラン・トリノは良きアメリカの象徴。それに対してトヨタやホンダの車がじゃんじゃん登場する。隣にアジア系が一家で住む。そして、若い神父(若いことが重要)と教会での連れ合いの葬儀。しかし、反発心もある-に対して、お隣のアジア一家は怪しいまじない師が登場し、主人公の心情を言い当てる(アメリカのキリスト教原理主義も崩壊)。孫がピアスのへそだしルックなのに減滅する中で、アジアの若者がまともに感じられてしまう(欧米文化の優位性崩壊)。明らかに今のアメリカを象徴する(アメリカ資本主義の崩壊)シチュエーションが出来上がる。

次に、イーストウッドの朝鮮戦争の過去と、現在の健康状態。そこは「生と死」のテーマとなる。

さらにあっと言わせる「結末」。この生と死のテーマに沿った脚本は大したことは無いのだと思う。むしろもっと練ってもらいたいと思うし、アジア系の演技が下手なのも目に付く。しかし、この最後の結末で全部チャラにしてしまうほどの「落とし」があることは度肝を抜く。

この結末は、観客をただ喜ばせようとするのであれば、スタンダードな結末で終わるのがいいのだろうが、モラルとか、倫理とか、そういう本筋で考えるならばこの結末が相応しい。死期の近い主人公という設定がこの結末を嫌味や当てつけにさせないところの布石も凄い。

こういった結末の持って行き方をハリウッドが嫌うのは、すなわち資本主義経済の闇の部分だと思うのだが、そういう意味でイーストウッドはこの映画で訴えているメッセージとしては筋が通っているといわざる得ない。

スカッとする映画ではないが、本来、映画はこういう筋の通ったものであるべきであろうと思う。

| | トラックバック (0)

2009年4月12日 (日)

レッドクリフ Part2

http://redcliff.jp/index.html

待ちに待ったpart2。

まず演出だが、さすがトニーレオン!トニーレオンが一番良い演技をしていた。周瑜がそれほど存在感があったとは思えないのだが、この映画ではこれでもか、という存在感を出す。さらに、葛藤の場面での演技もいい。

次に脚本だが、後半についてはアクションもので定評のあるジョン・ウーにしては、感情とアクションの同期がされていないように感じた。終わり方も物足りず・・・何だろう、この虚無感は。もしかしたら三国志のストーリー自体がそうだから仕方ないのかもしれない。

| | トラックバック (0)

2009年2月22日 (日)

地雷を踏んだらサヨウナラ

http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E9%9B%B7%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%89%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%83%A9-DVD-%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%B5%90%E5%8C%A0/dp/B00006F1V5/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=dvd&qid=1235285113&sr=8-3

ポルポトの公判が話題になったところだが、当時、フリーランスカメラマンとしてカンボジア・ベトナムを撮り続けていた一ノ瀬泰造半生(といっても短いのだが)を描いた映画。

キリングフィールドを観た後なので、かなり情景描写は重なっており、理解は深まる。映画の演出としては、浅野忠信のこのころの演技は下手。ちょっとお粗末だと感じるのは私だけか?

脚本は、多少のフィクションがあったとしても、史実に忠実になりすぎており、面白くなくなっているのではないか。最後まで一ノ瀬泰造が何を求めていたのかはわからない。彼は名誉を求めていたのか?金を求めていたのか?それとも・・・・

この辺が明確でない謎に包まれた人物だからこそ、映画になる、と言えるのかもしれないが、映画の範囲では平和を求めたのでも、世界に何かを訴えたかったのでもなく、若さゆえ、名誉を求め過ぎ、怖いもの知らずだったか・・・とも思える。信念が見えてくれば、彼のやっていることも、もっと違って観るのだが・・・

| | トラックバック (0)

2009年2月11日 (水)

キリング・フィールド

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-DVD-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%95%E3%82%A3/dp/B000657NB8

キリング・フィールドとは、ポル・ポト支配下のカンボジアで大量虐殺が行われた刑場跡の俗称らしい(wiki)。その映画化されたもので、ベトナムの勉強をしていたので、自然とこの映画を観たくなった。映画自体は1984年のもの。

映画は2時間半近く、長い。しかし前半部分を超えると、後半の1時間は非常に面白い(というと不謹慎か?)脚本とプラン役の演技も凄い!このプラン役は助演男優賞をとっていることは観た後で知ったが、納得のいく受賞。

ポルポトについては、私自身は大まかに知っていたことでも、こうして映画にすると何にも知らなかったんだなぁ、なんて感心したりする。ベトナムを勉強してもポルポトはサラっとしか出てこなかった。

ただ、原作を含めて、このポルポト派の描き方については当時、議論があったようだ。ポルポト派を善良に観るか(アメリカ批判の一つとして)、「アメリカのご都合」で批判の矛先を変え、ポルポト派に批判を集中させるためにこのような映画になったのか(アメリカ擁護)。

私自身はいずれの要素も恐らくはあったのであろう、とも思う。原作者が無意識にアメリカをポルポトとの相対化の中で贔屓目に表現することもあったであろうし、ポルポト派も本人たちは良かれと思ってやっていたというのは間違いないだろう。バイアスの無い映画なんてありえないから、観る側がニュートラルに観て、自分なりに感じることができればいい。プロパガンダとは思わないし、その程度のレベルのバイアスだと思っている・・・が、いやいや私の浅い知識で結論を出すのはまだ早いのかもしれない。ポルポト派について勉強することは課題としておこう。

ちなみに、当時、全てが明らかになっていなかったこともあって、様々な憶測と批評・批判と同時に讃辞も飛び交った。その代表的なものは本多勝一氏の以下のシンポジウムを記録したページをご覧頂きたい。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/symposium.html

この議論の争点を仲介しながら、この映画を観ると理解がより進むと思う。ただ、本多勝一は、記述を改竄する前に、なぜあの発言は誤りだった、と謝罪しなかったのか?不思議でたまらない。このジャーナリストはもっと誠実であると思っていたが、政治家と同じレベルーもっと言えば、謝る事の出来ない日本そのものではないか?

サウンドトラックは最悪。なぜこの音楽?と言いたくなる場面多数。80年代のエレクトロポップ全盛で、まだミュージシャンたちがその「音」をどう加工していけばいいか模索していた頃なので、音楽としてああいったものがあって、売れなかったというのはわかるが、あの音楽にOKを出した監督が信じられない。

| | トラックバック (0)

2009年2月 5日 (木)

戦場のレクイエム

http://requiem-movie.jp/

台湾の歴史を紐解いている関係上、この映画の設定である1948年の人民解放軍(毛沢東)と国民党軍(蒋介石)の戦いは勉強になるであろう、と観てみた。この戦いが台湾に影響するからだ。

しかし、目的とした映画ではなかった。戦争における矛盾を描きだしたものであった。決して面白くないわけではない。むしろなるほど、と思える。ただ、中国における戦争に対する視点というのはこんなものなのだろうか、という疑問をもつ。

何が、というと、戦争反対の映画ではないのだ。戦争で死んでいった人に対して、名誉回復が到達点になっているのだ。ラッパを吹いたか吹かなかったかではなく、そもそも戦争というものが人を狂わせていることが問題ではなかったか。

国のために戦うことによって、兵隊は見殺しにされる-ーーそういうことを超越し、戦争そのものに問題提起できなかったのだろうか。

ただ、戦闘シーンには考えさせられるものがある。そのくらいリアルな映像だ。戦場でなくても、目の前で大切な人を殺されたなら、いくら残虐だと言われても、殺した人に対して冷静な判断は確かになくなってしまうだろうな、と。戦場というシチュエーション、そのものが人を狂わせる。それを感じることができた戦闘シーンだった。

| | トラックバック (0)

南京1937

http://www1.parkcity.ne.jp/gentyuei/1937.htm

ビデオ、それもDVDではなくアナログである。職場にあったもの。ジョン・ウーが監督ではなくプロデューサー。

現在、中国の歴史などを紐解いて、様々な資料を吸収しているので、観たら勉強になるであろうと思い鑑賞した。

ジョン・ウーということで期待しすぎたのであろう。映画としてはバツですね。南京事件で大虐殺があったかどうかの学者の議論には参加するつもりはない。

1つめに、日本人役の演技が最悪であること。早乙女愛はいいとしても兵士たちは棒読み。

2つめに、日本人と中国人の夫妻による矛盾が最大限に引き出しているとはいえないこと。実際にはこんなことにはなり得ないような設定。夫婦の葛藤があってしかるべきなのでは?1シーンあるけどねぇー・・・いまいち。

3つめに、南京で住まいを提供した人がいなくなったこと。友人との葛藤はもう少し描き出すべきではなかったか。

4つめに、日本軍の残虐さを表現しようとするあまり局所的なシーンばかりで、全体像を描き切れていないこと。

5つめに、このラストありか?という現実離れした結末。ここは史実には無いであろうと思われる。フィクションだ。

1998年、中国・台湾・香港合同の制作だそうだが、これは現地の人が観て納得するものなのだろうか?

| | トラックバック (0)

2009年2月 1日 (日)

夏至

http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%8F%E8%87%B3-%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%89%88-DVD-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%83%B3/dp/B00005UJJI/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1233483590&sr=8-1

ベトナムの勉強を始めたので、ベトナムの映画を・・・とたどり着いたのがこの映画。2002年の作品。非常に映像が美しい。特にベトナム映像で、緑系を映えさせたらこんな色になったという感じか。風景ではなく家庭内での映像が多いのだが、ああ、こういう室内装飾は70年代の日本にもあった、なんてことも感じる。ベトナムの家庭を感じるにはいい。

ストーリーは女性向けのようだ。三姉妹がメインだから。映像的には一番下の妹の生活ばかり映るが、メインは長女、という意外性あり。

ウォン・カーウァイ監督(木村拓哉がキャストで話題となった2004年公開の映画「2046」の監督)の2000年に公開した「花様年華」を思わせるトーンがある。ぼやーっとして観るといい気分になれる。男性は特に、何か訴えるものやメッセージ性を求めてはいけない映画だと捉えた。

| | トラックバック (0)

チェ 39歳 別れの手紙

http://che.gyao.jp/

チェ二部作(モーターサイクルダイアリーズを含めると三部作?)の最終編となる。前篇から後篇への繋がりは史実をすっとばして描いているので、世界史を追っていないと状況が掴めなくなるかもしれない。

前篇とは対照的に徹底的な負け戦を描いていく。これは脚色といってもいいかもしれない。前篇では負け戦をちっとも描かずに「勝ち」に徹した描き方、後篇は徹底的に「負け」を描く。チームワークも乱れ、ボリビアが全力で対策を注ぐので裏をかけない。

歴史を観ようと思ったら端折り過ぎていて面白くない。しかし、チェ(の意思や信念)を観ようと思うのであればこれで十分かもしれない。でも2回合わせて4時間というのは長すぎ。

多少不満なのは、デル・トロが本当に演じ切ったのであろうか?という点。私は演じ切れていないと思う。あんなに淡白だったら、人はついていかない。もっと情熱的な(感情的ではない)チェを演じるべきだし、シーン一つひとつの表情も豊かにすべきだ。

もしかしたら、無色透明な人物史を描いただけなのかもしれない。監督は「オーシャンズ」や「エリン・ブロコビッチ」のソダーバーグという敏腕なのだから、もっと楽しませるように描けたはず。あえてそれをしなかったのは・・・・?

| | トラックバック (0)

2009年1月31日 (土)

シュリ

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA-DVD-%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AE%E3%83%A5/dp/B00005V1CO

韓国を学んで、韓国を観ておこう、とこれも劇場で観た映画。2000年1月に日本公開だから、9年前となる。

このころは韓ブーム以前なので、韓国映画が日本で公開すること自体珍しかった時。私もこの映画以降、韓国映画をよく観に行った。

しかし良いものは良いし、悪いものは悪いので、韓国映画だから面白いわけではない。ただ、ハリウッド映画とは異なり、アメリカ万歳でもないし、日本人には馴染みやすい映像(部屋の天井が低いとか・・・)という点だけだった。自然と韓流ブームが訪れる2003年には観なくなった。

しかしやはりシュリはいい映画だと改めて想う。

| | トラックバック (0)

2009年1月25日 (日)

ラストエンペラー

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%BC-DVD-%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%83%E3%83%81/dp/B0001CSB80

御存知、監督・脚本:ベルトルッチ、サントラ:坂本龍一の当時、アカデミー賞受賞作品、世界初の紫禁城撮影ということも当時話題になった。

いつか観なおそうと思いつつ・・・劇場で観てから20年という歳月が流れてしまった。当時の私には理解しえなかった部分もあったであろう、ということで、学習しなおしてから観ようと考えていた。

やはり20年の歳月は長い!その当時、インパクトのあった場面だけ記憶しており、名前なんかは読み飛ばし(字幕)て理解していたのだろう、細かい部分は殆ど覚えていない。新鮮な感覚での観直しとなった。特に、坂本龍一が甘粕正彦を演じていたとは・・・。

あとは、私が歳を重ねただけあって、ジョン・ローン演じる溥儀の心情が手に取るようにわかる。当時は若さゆえか、なんて世間知らずの皇帝なんだろう、なんて感じていた。しかし、彼の生活環境を考えると、最後の選択も人の弱さゆえにあり得る選択として受け止めることができる。この心情にサントラはやはり効果的な音楽だと感じることもできた。このサントラも何で評価されているのか、正直よくわからなかった。戦場のメリークリスマスのサントラの方がずっとすぐれていると感じていたのだ。でも、それは溥儀の心情が理解できなかったから。溥儀が何かを取り上げられた時、自由を拘束された時の坂本のサントラはグッとくるものがある。

ちなみに、当時劇場公開では当時の虐殺場面は配給会社によって勝手にカットされていたらしい。南京大虐殺を示しているのだが、映像自体は中国共産党軍による処刑場面らしい。それがDVDでは再現されており、観ていない場面であることは認識できた。

DVDが欲しくなったが、既に生産を終了しているー現在、プレミアついてる。

| | トラックバック (0)

2009年1月17日 (土)

007/慰めの報酬

http://flash.sonypictures.com/intl/jp/movies/quantumofsolace/site/

前作「カジノロワイヤル」では007の誕生を描いている(だからと言って時代が逆戻りしているわけではなく現代です)が、これはその続編。実は前作は観ていなかった。なので、昨日レンタルで観て、翌日にこの「慰めの報酬」を観たので、記憶としてはかなり新鮮に頭に残っている状態で観た。

007シリーズは、比較的観ている方だし、好きな映画シリーズの一つなのだが、前作は誕生ということで、「何で最初に戻すの」と思ったし、単発になるのであろうと思って観なかった。

その前作「カジノロワイヤル」は誕生から描いているだけあって、ストーリー展開はテンポがいい。ただ、ラストはいただけない。そのラストからが007だろ!と突っ込みを入れたくなった。しんせいジェームスボンドは、私の中ではかなり「違う!」。ジェームスボンド役の「ダニエル・クレイグ」はエレガントさが無い。これはいただけない。ただのサバイバルムービーの主演という風貌でしかない(但し、ダニエルクレイグのスーツ姿もかなりいいい、高そうなスーツ・・・)。これは時代の変化からであろうか?私は今までのジェームスボンドが着るスーツ、振る舞いなどのエレガントさとアクションのワイルドさのギャップに魅かれていたのだが。

で今作品なのだが、まずは映画館。ユナイテッドシネマ、まさかの11スクリーン。最大スクリーンなのだけれども、やっぱりダメ。でかすぎるのに奥行きの無い場所で観るからテレビを間近で観ている感じ。

ちなみに、映画とテレビは撮影の仕方が異なる。テレビは小さいことを前提に撮るのでアップ画面が多いのだが、映画はアップ画面を多用するのは禁じ手。画面が大きいので、風景も含めて映し出すシーンを切り取っていくのが普通。

ただ、アクション映画となるとまた別の要素が入る。アクションにはスピード感が欠かせないので遠目で撮ってはスピード感が出ないのだ。スピード感を出すにはアップでカットを増やしていくことが必要になる。

この映画も同様で、アクション場面になると、アップでカット多用となる。しかも11スクリーン。全体像が見えなくなるのだ。試しに皆さん観てみてください、テレビに30cmほどに近付いてアクションシーンを観るのがどれだけ苦しいか。これなら、多少音響が劣っているスガイに行けばよかった。

で、本題。前作を観ていなければ理解不能です。私は前日に観ましたが、それでも人物の名前と役割を忘れています(だって脇役なんだもん)。前代未聞の007です。そんなこと考えずに昔ながらの007と同様にこの映画を観に来た人はがっかりします。007の続編なんて作るな!と言いたい。で、ストーリーですが、大したことはありません。面白くなくはないが、これまでのアイデア満載の007的なストーリー展開は無いです。今さら普通のカーチェイスを007でかよ、使い古されていて007でやることじゃねーよ・・・みたいな。あと、偶然なんだけど昨日ブログに書き込んだ「水」問題-この利権が闘争の焦点になっています。

ただ、お金はかかってるので見応えはあります。

| | トラックバック (0)

2009年1月16日 (金)

放送ステーションで「水」の管理について特集をしていた。

日本は海水を真水にするフィルター開発は優れているが、管理運営という組織化は遅れているという。その結果、日本の一部の地方では管理運営を低いコストで海外企業が行っている。で、日立製作所など14社が協議会を設立したとのニュース。

これに対し、すぐれた技術を海外に進出させていくことを視野に入れたらいいとキャスターはコメントする。

うーん。微妙。日本国内でも海外に依存している実態がある中で、海外進出ってどう?しかも日本へ進出している海外企業は侵略の歴史の結果、発達したもの。インフラを政府が管理せずに海外依存が増えるのも不安だが、海外進出って、どう?発展途上国への提供はわかるけど・・・

インフラは政府が責任をもって管理ーが原則だと思うのだけど、そうはいかないのかなー。

不況になり、今後、日本は「どこかに進出して儲けなければならない」という思想がさらに進むのかもしれない。そこから穏やかな世界は見えてこないような気もする。すぐれた技術を開発することをさらに増やしていく、力を入れていく、という歩みがいいなぁ。

| | トラックバック (0)

2009年1月12日 (月)

チェ 28歳の革命

http://che.gyao.jp/

御存知、革命の象徴となっている「チェ・ゲバラ」の半生を描いた映画。

チェ・ゲバラ革命家になる前の学生時代を描いた映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」から接続するストーリーになっている。観ていない方は観てからこの映画を観た方がいいであろうとは思う。個人的には共感するところが多く、純粋なゲバラの学生像が描かれている。

その後の革命家として生きた前半を描いており、「キューバ革命」までである。ある意味でのサクセスストーリーを描いていく映画になっているかもしれないのだが、問題は後半なのだろうなぁ。ゲバラが周りが見えなくなっていくボリビアをどう描くか。

「モーターサイクルダイアリーズ」とは異なり、この映画は必ずしもゲバラに共感しながら観ることはできない。もっと面白おかしく、カリスマ性やイデオロギーを強調し、アクション映画的に描くこともできただろうが、それは結局、嘘になるからしなかったのかな。それもあって、映画自体はつまらない部類に入る。しかし、この時点で評価を確定するのは危険であろう。後半の「39歳別れの手紙」までを観なければ。

この最近の映画の「続きもの」はやめてほしい。2回も映画館に足を運ばなければ正確な評価はできない。

レッドクリフもこの映画もそうだが、最近の映画は「英雄もの」が多いかなぁ。世界が求めているのは何でもいいから「勝ち組の英雄」なのかしらん。リーダーではなく英雄。英雄はチャンイーモウ監督・ジェットりー主演の「HERO」でいう「英雄」がやはりしっくりくる。普通の人が勝ち負けにこだわらない英雄がいい。格好いい英雄はいらない。本当の意味でジェットリーの英雄が格好いい。

そういう意味でこの映画は、後半の映画でチェゲバラをどれだけボロクソに描き、その中からどれだけの「真理」が表現できるかが評価の鍵となるのでは。

ちなみに映画館で卒業生に再会した。もう28歳の社会人であった。

| | トラックバック (0)

2009年1月 1日 (木)

レッドクリフ Part1

http://redcliff.jp/index.html

御存知、ジョン・ウー監督の作品。三国志の一部(赤壁)を切り抜いてアクション化したものと考えた方が良い。三国志を描いていると思って観るとがっかりするだろう。

しかし、ジョン・ウー監督の描き方はやはり凄いなぁ、と思わされる。それなりに見入ってしまう作品。キャスティングがかなりいい。特に周瑜役のトニー・レオン。やはり名俳優と言わざる得ない。あと中村獅童が特別出演となっているが、彼もなかなかいい。発音がどうかはわからない。そんなに上手く発音できるとは思えないので吹き替えではないか、という疑惑は持っている。一番良くないのは孔明役の金城武。かなりのボリュームで登場するが、あまりいいキャスティングではなかったように思う。今回は白鳩は出る幕が無いだろう、と思ったら、最後にしっかり出てきました。

やはり、この映画は今季の正月映画では最大だったのではないだろうか。それが宣伝や映画館、映画会社の見込み違いを起こしているようにも思う。今日はスガイで観たが、100人規模のちっちゃなスクリーン。それで良かったのだが、1日ということもあり、客席はぎゅうぎゅう。もっと余裕を持たせて、客を入れようとする意気込みが欲しい。

少なくとも、「地球が静止する日」よりもずっとグレードもキャスティングもいい。

Part2にさらに期待したい。

| | トラックバック (0)

2008年12月31日 (水)

The Day the Earth Stood Still

http://movies.foxjapan.com/chikyu/

邦題は「地球が静止する日」

キアヌ主演とあって、宣伝も過剰だったので観たのだが、これはやばい。映像と演出はいいとして、ストーリー立てが弱い。リメイクだが私は原型を知らない。

ただ、アメリカの敵か味方かの二項対立での思考回路を批判していることもあり、それほど見苦しくはない。鉄人28号がやや興醒めかなぁ。

この映画の一番の見せ所としてのシーンはキアヌが気を変えるところだと思う。ここが上手く伝われば、この映画は絶賛されたに違いない。しかい、あいまいで、気付かぬまま通過する可能性が高い。そのくらいインパクトの無いシーンとなってしまった。むしろキアヌがどっぷりと人類の生活に浸かり、キアヌの魔術(?)も利用しながら、その中で見出したものや気づきを前面に出した脚本が望まれた。

環境問題という観点で観る人もいるのだが、環境問題は何一つ出てこない。そのことはいいが、人類の心の問題が破滅に追いやっていることをキアヌが問題にしているーそんな観点でも観れないことないので、問題点を明確にすべきであっただろう。

| | トラックバック (0)

Body of Lies

http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/

邦題は「ワールド・オブ・ライズ」

邦題をつけた人は完全にこの映画を読み違えている。それともわざと?宣伝は騙し合いを前面に出したスパイアクションを売りにしているのだが、そうではない。

中東を背景にした騙し合いの映画・・・といえば、ただのアメリカ万歳のテロ撲滅映画かと思われるかもしれないが、そういう「正義」を盾に支配を目論むアメリカを否定した映画。メッセージ性としては少々古い。これはイラク派兵の時期にぶつかればたいしたものであったが・・・。

演出的には、風景のスケールのでかさと、衛星監視を煙に巻く(正に煙に巻くのだが)シーンは「なるほど」と思わされる。ディカプリオはあまり好きな俳優ではないのだが、その拷問シーンに至る愛情表現と迫真の演技は見応えがある。

ただ、映画会社は大した宣伝もせず、あまり売り込もうという意識もなさそうだ。

| | トラックバック (0)

2008年10月18日 (土)

イーグル・アイ

http://www.eagleeyemovie.com/intl/jp/

これだけ宣伝して、期待させるようなCMをしておいて・・・がかかりです。ありきたりのストーリー展開、観てられない。

これイーグル・アイでなく「グーグル・アイ」の間違いです。もしくは監督あモジッテいるだけ。

確かに「グーグル・アイ」は恐ろしい・・・が。

| | トラックバック (0)

2008年9月22日 (月)

WANTED

http://www.choose-your-destiny.jp/

こちらは映画館での鑑賞。

これはいい。前半ではストーリーに違和感があり、そのことは「また、ハリウッド映画のモラルの浅さか?」と思いきや、それは意図的であったことに後半で気づく。

アクションとしてはマトリックスやMIⅢレベルの映画と言える。これは映画館で観るべき映画だろう。

| | トラックバック (0)

トゥモロー・ワールド CHILDLEN OF MEN

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89-%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%B3/dp/B000KIX9BO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1222084329&sr=8-1

かなり奇抜な発想の映画。発想がとてもいい。

明日起こるかもしれないリアリティがあるし、こういう想像をしたことがなかったことに気付かされた。

全世界的に18年間、子どもが生まれていないイギリスを描く。命が生まれないのにも関わらず、人々はやはり、殺し合う世界。そして無気力になっていく人々・・・

私たちは、新しい命が生まれてくるから、自分が死んでも人は生き続けることに「希望」を持っている。これは無意識だ。しかし、人が生まれない、私の世界で人は途絶える、と思った時、何かを生み出すことに意味を見いだせなくなるし、生きている意味も見出せない。

環境問題が論じられる中で、私たちはそういう世界を想像しておく必要があるだろう。

| | トラックバック (0)

HIT MAN

http://movies.foxjapan.com/hitman/

DVDでの鑑賞だが、アクション映画としてはなかなかの出来。だが、脚本が悪いと思う。前段のエピソードが分かりにくい。

しかし、何となく観るDVDとしては最適だろう。映画館で観たら、たぶん、納得しなかっただろうな。

| | トラックバック (0)

2008年7月 8日 (火)

クライマーズ・ハイ(映画)

http://climbershigh.gyao.jp/

映画である。1年以上前に勧められて読んだが、細かいところは殆ど覚えていない。ブログを読み返すと主人公の言動にむしろ苛立ちを感じたようだ。そして主人公の罪悪がラストに埋めてあった。そこは記憶にある。たぶん、原作よりもかなり人間関係が簡略化されていたと思う。それでも(それだから?)、原作のような苛立ちを残さなかった。

この映画の優れているのは山崎努や山に登った記者と主人公の対比にあるように感じる。また、映画館でなければ味わえないのは、山に登るその絶景。あれは自宅では感じ得ない、大スクリーンだからこそ感じる壮大さだろう。

| | トラックバック (0)

2008年6月 1日 (日)

ミスト

http://www.mistmovie.jp/

スティーブン・キング原作×フランク・ダラボン監督の作品で、この組み合わせの映画では「ショーシャンクの空に」と「グリーンマイル」がある。

「グリーンマイル」については、私は高く評価していないのだが、「ショーシャンクの空へ」は非常にポジティブになれる不思議な力がある映画であると、高く評価しているがゆえに、この映画「ミスト」は期待できるかな、と気になった映画であった。

基本的にはパニック系の映画。ショーシャンクの空へのような期待通りかといえば、全然違う。ポジティブになるような映画ではない。しかし、良い意味で大きく裏切られた。

霧の中の正体についてはここでは触れないが、それを明かしたとしてもこの映画の大筋ではないので大したことではないのだが、これから観る方はそれも含めて評価してもらいたい。そういったことではなく、人間の心情の複雑さ、誤解、醜さ、そして信じることの難しさ・・・そんなことが深く、私たち観客に問題提起する。「あなたはこの中の誰か?」と。私はどの立場に立つのだろうか?と想像とはいいながらも、そんなに誇れるような立場にたつ自信は無い。

映画や小説の凄さというのはこういう点にあるように思う。どうやっても、主人公にはなれないが、主人公に共感しつつ「神の目線」で見ざるを得ない。そのとき、私がその中にいたとき、私の言動を「観客はどう観るのだろうか」が問われる。そうやって自分に問い続けていく「私」の営みは必要であろう。

この映画の見所はラスト15分だそうだ。どんでん返しは正に驚かされるのだが、私は、やはりパニック状態の人の群れの中で私がどこにいるのかを問いかける映画として、この映画を絶賛したい。

| | トラックバック (0)

2008年5月27日 (火)

最高の人生の見つけ方

http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/

ジャックニコルソン、モーガンフリーマン主演の映画。

邦題は「最高の人生の見つけ方」というタイトルだが、洋題は「The Bucket List(人生でやり遂げたいことを綴る棺おけリスト)」。

それぞれが、最期を迎えるのだが、結局、人生でやり遂げたいこと、というのは関係の回復なのだろう、と。それができたとき「最高の人生」が見つかる。逆にそれができれば、どんな人生であろうと、「最高の人生」になるのだろうなぁ。

いい映画です。

| | トラックバック (0)

2008年3月 2日 (日)

ジャンパー

http://movies.foxjapan.com/jumper/

ネタばれになるので、観ようと思っている方は読まないでください。

先行上映で、まだ正式公開ではないのだが、昔の先行上映は夜だけだったのだが、最近は先行上映でも通常並みに一日中上映する。この作品も例外ではない。しかし、先行上映とは話題性を高める広告みたいなもので、よっぽど自信が無いとするべきだとは思わないし、菅制度の高いものでないと逆効果となる。

まず、上映前の予告編の話から始まるのだが、なんと!この予告編は通常10分に対し、20分の予告編が流された。一体全体どういうことだ!?数多くの映画を観てきた私としては納得のいかない構成である。

さて、次にジャンパー。およそ90分弱の映画で、短すぎる。何となく損をした感じ。内容は、ジャンパーというテレポートする能力を軸にシナリオを組んでいく、その着想はかなり興味深い。しかし残念ながら、それが広がっていかない。時代のねじれや矛盾を描くタイムマシン映画のように、テレポートすることによって、生じる空間の「ねじれ」をうまく表現してもらいたかったが、そうはならなかった。このねじれを上手く表現しなければ、パラディンがなぜ、阻止しようと懸命になっているかが明確にならない。それが「犯罪をしているから」なのであれば、警察が追えば良いのであって、パラディンである必要もないわけだ。格闘シーンももっとテレポートを利用した戦いの工夫がほしかった。「ああ、テレポートすると、こういう闘い方があり得るのか」と納得するような格闘シーンがあると、見ごたえがある。さらにあの母親は種明かしのように演出しているが、「だから?」と言わざる得ない。

映画の終わり方は明らかにⅡを意識した終わり方。果たしてⅡを創るほどヒットするかどうかが問題である。

とまぁ、ここまで酷評となったが、ストーリーが浅いということで、観るに絶えないところまではいかない、まぁまぁこんなもんか、といったところ。むしろ疑問点を集めながら観ると面白いかもしれない。

| | トラックバック (0)

2008年2月11日 (月)

アメリカン・ギャングスター

http://americangangster.jp/

デンゼルワシントンとラッセルクロウというだけで見ごたえのある映画という先入観だけで観た。従って予告編などは観ていない。そのためか、最初から混乱した。役柄の風貌で「ラッセルクロウ=悪役」「デンゼルワシントン=正義」という構図を勝手に構想していたのだ。これが逆転するまでに10分くらい消耗した。

で内容だが、内容自体は大したことは無いと思う。演じている二人が大物だから面白い。たぶん、この二人が役柄を入れ替えたとしても演じるんだろうと思う。対象的な生き方をしている二人を対象的に描いていく。本当に単純な構成の映画。

ただし、この映画は注意点がある。エンドロール後にまだ映像がある。これが想像を掻き立てるものとなっており、どう想像するかは観ている人次第。

| | トラックバック (0)

2008年1月16日 (水)

幸せのちから

http://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B8%E3%81%9B%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%8B%E3%82%89-%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9-%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3/dp/B000QUU4AK

何だろう?この映画は。ウィル・スミスとその実の息子が主演だが、ラストではポーンと結末に飛んでしまう感じ。もちろん、とことん打ちのめされるのですが、「採用」をサクセスとするのがリアリティを無くさせるのかな?実話ですが。

何をメッセージとするのか、というテーマに関しては「幸せのちから」というくらいだから、幸せはつかみ取るもの、というのがテーマなんだろうなぁ。でも「採用」が幸せですか?いろいろなもの犠牲にしたみたいだけど・・・と疑問は残る。

| | トラックバック (0)

2008年1月14日 (月)

サディスティック・ミカ・バンド

http://www.cqn.co.jp/SMB/

音楽評ではありません。映画評です。KIRINのコマーシャルによって再結成したサディスティック・ミカ・バンドのドキュメンタリー。こういうローカルな映画は「シアターキノ」でしかやらないので、シアターキノに久し振りに行ってきました。シネコンでは最近、どれもがおもしろくなさそうに観えるんですが、ここでやっている映画は、やはりどれも面白そうに思える。学生のように時間さえあれば、やはり一日中入り浸りたい映画館ではある。

さて、この映画は、「パッチギ」を撮った井筒監督が監修している。ちなみに、この「パッチギ」で使われる「イムジン河」は、このサディスティック・ミカ・バンドのバンマス加藤和彦率いるザ・フォーク・クルセダースのもの(「帰ってきたヨッパライ」の方が有名)で、北朝鮮の原曲とは異なるようだ。それもそのはず、作詞を担当していた松山猛が朝鮮学校で聞いた曲を加藤和彦に口伝えしたらしい。それを加藤和彦が譜面に起こしたということだ。

それはさておき、井筒監督と加藤和彦はどういう仲なんだろう?と思ったりもする。

さて、映画だが、1時間程度の作品で飽きさせない、上手く仕上がっている。バンドのドキュメンタリーは何本か観ているが、音楽のライブ映像以外はあまり面白いものでもない。だから音楽が好きでないと、なかなか映画は観ていられないというのが一般的だが、このドキュメンタリーは30年前は近い音楽性を追究していたが、今となっては全くバラバラ。小原(bass)に言わせると、加藤和彦は「高級品」を求め、高橋幸宏は「最先端」を求め、高中正義は「知る者ぞ知る」ものを求める、という。バンドをやっていた当時も高橋がギターアンプのボリュームを下げに行き、高中はボリュームを上げに行く、というとんちんかんなライブを繰り返していたという。そういうバラバラさから一枚のCDを創るのはとても大変だろうと思うが、そのバラバラさも尊重しあいながら進めていく映像が流れ、それぞれの想いを語っていく場面が、これまたバラバラに映し出される。飽きさせない構成だ。

加藤氏の言葉「仕事、趣味、生活って区別ないんだよね。全部ひとつっていうか・・・生きてるのが趣味みたいなもんだから(笑)」がとても印象に残った。私も、そうやって生きてくもんだろ、本当は。今の日本がおかしいよな。なんて妙に共感してしまった。

さて、この映画では一番存在感が無いのがカエラだ。もちろん、臨時採用のボーカルだから、30年前を聞かれても生まれていないのだから、その話にはかめない。しかし、桐島かれんよりもかなりマッチしているボーカリストではあるというニュアンスのコメントもあり、以前の桐島かれんはミスキャストだったか?と思わせる節もある。実際、私もそう思うが・・・

| | トラックバック (0)

2008年1月 5日 (土)

I am Legend

http://wwws.warnerbros.co.jp/iamlegend/

今年の正月の目玉的な映画・・・だと思ったんだが・・・

前半は完全独り芝居。

独り芝居映画といえば、トムハンクスの「キャストアウェイ」が記憶に新しいが、「一人だけになったら・・・」というイメージを膨らませてくれるという点で比較すると、トムハンクスのほうが、困窮さを表現していたなぁ、と思う。

ただ、このニューヨークの舞台を選んだことは、ニューヨークをわかる人にしか楽しめない場面が数多く出てきているようだ。日本人は、東京などをイメージ変換し、想像しながら見るので、この点では全く面白みも工夫もされているとは感じない。たとえば、ハドソン川やセントラルパーク、タイムズスクエアやFlatiron buildingといったものだ。だから、キャストアウェイの舞台の無人島は無国籍で楽しめる映画となっていたのかもしれない。

そういった不足分があるがゆえに「脅かし」で緊張感を作り出そうとする前半の演出が、アメリカ人以外の私たちには強烈に浮き立って映ってしまう。これはいただけない。

このストーリーと演出はバイオハザードのパクリを感じさせる。もちろん、バイオハザードの方が技術的にも演出的にも優れているのだが。

ウィルスミスでもっているC級映画、という覚悟で劇場へどうぞ。

| | トラックバック (1)

2007年12月28日 (金)

カーズ

http://www.pixar.com/jp/feature/cars/

同僚のお子さんの所有物をお借りし、観ることができた。これまでも関心があったのだが、どうしてもレンタルに行くと、他のDVDに目がうつり、選択肢から外してしまうのだった。

なぜ関心があったかといえば、それはPIXERだから。PIXERはアニメーションを得意とする映画制作会社。というよりコンピュータを得意とする映画制作会社と言った方が良い。

2000年にアップルのCEOに就任(復帰?)したジョブスであるが(その後の活躍はご存知の通り)、この経緯は複雑だ。1981年にアップルを退職し、アップルの株を売り払ったお金で買収した(1986)会社がPIXERである。そのPIXERは、ディズニーとの契約を「トイストーリー」から初め、この「カーズ」で契約が解消する予定であったが、2006年にディズニーはPIXERを買い取ってPIXERを子会社とした。なおかつ、ジョッブスはディズニーの筆頭株主となり、同時に役員に就任した。

そういった経緯を持ったPIXERの最後の契約となる「カーズ」は、大博打をかけた制作であったに違いない。これが失敗すれば、ディズニーとの交渉への望みは薄れる可能性があったからだ。(逆に交渉がうまくいけば、ジョブスがディズニーの著作権をipodに融合させる可能性が出てくるのでコンテンツとしてはとてもおいしい)

そういったPIXERの緊張感をもった作品なだけに、気になっていたのだ。

観てみると、やはりすごい!このCGは半端ではない。石ころの転がるところ、車の光り方、車を人間らしく動いているようにみせる工夫(ここが一番苦慮するところではないか?)・・・・アイデアも技術もある。また、ストーリー構成もハリウッド映画並みに練られている。最初からストーリーの落ちどころはわかっていても、観てしまうし、落ち着かせ方も良い。

アニメなのだが、車という表現方法をアニメっぽいとか、ぎこちないと思わせないで観させてしまうPIXERの技術を堪能した。

| | トラックバック (0)

2007年11月10日 (土)

ボーン・アルティメイタム

http://www.bourne-ultimatum.jp/

三作目となるボーンシリーズ。前作同様、カーチェイス、アクションが豊富。

アクションものとしてどうかと言えば、カメラワークでスリリングさを表現する手法がとられており、あまり好きなカメラワークではない。内容はといえば、前作からの続きだが、残念ながら最後に「だから?」という言葉を残してしまう。本当に「アルティメイタム(最終通告)」なのかどうか怪しい。

日本ではあまり評価の無いマットデイモンだが、個人的にはこの俳優のアクションには惚れ惚れするものがある。ハリウッド俳優は、キアヌリーブス、ジョニーディップ、トムクルーズ、ブラッドピッド、レオナルドディカプリオ等々、様々な色を出しているとは思うのだが、このマットデイモンについては、他の俳優とは違う。特に「男っぽさ」があるように感じる。どうしても他の俳優には多少なりとも「女っぽさ」を感じるので、あまり格好が良いとは思えないのだ。主な映画は、オーシャンズシリーズ、ボーンシリーズ、ディパーデッッド、シリアナ、プライベートライアン。その通り、アクション映画がヒットしているが恋愛映画ではヒットしない俳優。

そのマットデイモンが個人的には好きなので、この映画も個人的には見応えがあるものだが、マットデイモンがそんなに好きでもない人には、そんなに優れた作品ではないように思う。

| | トラックバック (0)

2007年11月 4日 (日)

バイオハザードⅢ

http://www.sonypictures.jp/movies/residentevilextinction/

三部作が続きましたが、2部とも観ているので、一応、確認の視聴です。

予告では三部作の最後的な予告なのですが、最後ではないと思います。あんな終わり方有り得ない。最後はマトリックスの最後に近いイメージなのですが、少し中途半端。

で、内容ですが、1部から思っていますが、これはアクション映画ではなくホラー映画です。驚かせる技術満載で、まるでゾンビの映画です。とにかく、ホラー映画のように驚かせるシーンに持ち込んで映画に強弱をつけています。決してシナリオにメリハリがあるわけではありません。

さらにこのⅢでは、なぜかアリスが超能力者になっていて、「何でもアリ」のシナリオになってしまっている。Ⅳでは神になるのではないでしょうか?

観て損をするものではないのですが、(ⅢのみならずⅠからですが)心臓の弱い方にはお勧めできません。

三部作づいているので、他の映画・・・と思っていますが、週末には「ボーンアイデンティティー」の三部作目が公開です。たぶん観るんだろうなぁ~。

| | トラックバック (0)

スパイダーマン3

http://www.sonypictures.jp/movies/spiderman/

1作目を5とすれば、2作目は1、そしてこの3作目は3という評価だがいかがか?

2作目と比べれば、サンドマン登場までの展開はよくできている。ブラックスパイダーマンの登場は何となく湧いて出てくるが、それは曖昧に出してきたのでしゃーないか、という面もあるのだが、問題はハリー。ここは3作通して、あまり曖昧にして良いところではないと思うのだが、かなり曖昧で安易な形で心情が変化する。観ている側はこれでは納得できない。

あと、1作目と2・3作目との大きな違いは、自分の身を明かすか、明かさないかの緊張感。この緊張感が2・3作目でなくなったことによって、ストーリーに大きな損失を与えているように感じるのだが、どうだろう?

| | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

X-MEN 1・2・3

http://www.amazon.co.jp/X-MEN-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/B000JVRS64/ref=pd_bbs_sr_1/249-0992274-0669110?ie=UTF8&s=dvd&qid=1191776136&sr=8-1

1と2については劇場で観たのだが、3(FINAL)については、2の出来を考えるとあまり気が進まなかった。そんな中で、しばらく時間が経過し、5.1chを導入したこともあって音響テストも兼ねて(内容も朧げだったが)、1から3まで通して観てみた。

しかし、1から3まで通してみてみると、なかなか良いストーリーだ。だから漫画も売れたのであろうが・・・。音もかなり臨場感を体験できる。マトリックスの2と3に比べたら、こちらの方が続編という意味では質が良い。無理してない感じ。

被せて考えるのなら、人種差別や平和と言うものへの一つの提起ともとれる。原作がマンガだがら、子ども向けとしても、その辺は原作段階で良く練られたものになっていたのであろう。

| | トラックバック (0)

2007年10月 7日 (日)

サンシャイン2057

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%B32057-%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3/dp/B000OPVT6A/ref=pd_bbs_sr_1/249-0992274-0669110?ie=UTF8&s=dvd&qid=1191713360&sr=8-1

50年後の未来・・・それを描いた映画。

SFというものには関心はない。よっぽど話題にならなければ、だが。

この作品は、太陽が終焉を迎えようとしている中、核爆弾を太陽に打ち込むために核爆弾を積んだ宇宙船が太陽へ向かう。その宇宙船の真田広之がキャプテンとして登場する。

実はこの真田広之にだまされた。しかも真田は前半戦で消える。終盤を迎えるにつれ、何をやっているのかよくわからなくなる。そして視聴者の期待を裏切らない形で太陽は復活する・・・終わり。

音と映像は工夫されているのだが、脚本と演出がSFなだけに難しいということはわかりつつも、わけわかんなくしている。

時間の浪費であった。

| | トラックバック (0)

2007年10月 1日 (月)

300<スリーハンドレッド>

http://www.amazon.co.jp/300-%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89-%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%89%88-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC-%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%8A%E3%83%A0-%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3/dp/B000U5HX3C/ref=pd_bbs_sr_1/249-0992274-0669110?ie=UTF8&s=dvd&qid=1191212894&sr=8-1

映像と構成がとても良い。飽きさせ無い作りはエンターテイメントならではだろう。一方で、メッセージ性を問うと、最悪と言わざる得ない。子どもにはみせたくない映画だ。この戦いには躊躇が無い。いったいその躊躇の無さはどこから来るのか?連れあいや子供のため、国のため・・崇拝されるような暴君は不在にしても、日本の第二次世界大戦中と何所に違いを見出すのか?疑問というよりは監督にも躊躇が無いと思われる。この映画が映像や脚本で優れていたとしても、一歩秀で無かったのはそのためと思われる。

本来、映画という芸術は、メッセージ性のためであってエンターテイメントのためだけに存在するべきではないと思う。何事もメッセージ性の上に技術が加わわらなければ無に等しい。特にこのような戦争映画は必ずメッセージが核にならなければならない。どう闘いを上手く描いてもメッセージ性が無ければただのシュミレーションにしかならない。そういう意味で本末転倒した映画。

| | トラックバック (0)

2007年7月 1日 (日)

パラダイス・ナウ

http://www.uplink.co.jp/paradisenow/index.php

やっと日本公開といった感じで、やっと観れた映画。

1年ほど前に「ミュンヘン」が話題になったが、ユダヤ系のスピルバーグが監督とあってパレスチナの立場では、あまり評価できない作品であった。その映画と同時並行的に世界で論じられたのが、この「パラダイス・ナウ」。当然、論じられるだけあって、この監督はパレスチナ人である。

この角度から映画化していった作品は確かに今のところ無い。メジャーとなっているのはハリウッドなだけに、世界的にそちらの傾向へ流れていってしまっている。がゆえに、この映画の存在価値は高い。しかし、この映画が送るメッセージは、戦後日本では言い尽くされてきたメッセージで新鮮さは無い。それは映画「ミュンヘン」にも言えることだ。平和を訴える映画は、そのメッセージ性について、また違う角度で表現する段階にきているのかもしれない。それができるのはアメリカ人でもユダヤ人でもパレスチナ人でもない、第三者なのかもしれない。

| | トラックバック (1)

キサラギ

http://www.kisaragi-movie.com/

特にこの映画を目指して映画館に行ったわけではない。何となく、映画館で面白そうな「予感」がしただけだ。とにかく設定が単純。金がかかっていない。これで映画として成立させるだけ日本映画は発達しているのか?そんな疑問と期待を抱きながら、観た。

「予感」は当たりだったようだ。単純にアイドル「如月ミキ」の一周忌に、密室でその死についてトークする、それだけで話が進んでいくだけなのに、2時間たっぷりと観客を引っ張る。これはすごい技だと思う。二転三転四転五転していく話には、やはり引き込まれる。脚本が良い。凄い!ユースケサンタマリアは観客が期待するキャラではないが、ドランクドラゴンの塚地は地でいけてるキャラだけに、生かされてる。それが面白い。

密室でお金のかかっていない映画と言えば「CUBE」だが、それとは勿論設定が違い過ぎるが、想像や仮定の中で話がつづき、飽きさせない演出は同等だろう。

| | トラックバック (0)

2007年6月30日 (土)

ダイ・ハード4.0

http://movies.foxjapan.com/diehard4/

1988年に大ヒットした映画「ダイハード」の4作目。4.0はweb2.0とかけているがゆえに、今回のマクレーンは、サイバーテロとの闘いという設定。

非常に面白い。前段はなく、いきなり事件に突入していくアクション映画の定石が守られているのは当然だが、それがずっと続く。3/4はアクション。1・2作目はビルや空港といった限られた空間が舞台であったが、3作目につづき、この4作目もかなりの広範囲で動きまわる。ビルや空港などの閉鎖された空間のほうがわかりやすい映画になるのだが、幅が無くなってしまう。しかし一方で、広範囲だと、アクションの幅が広がるが、わかりにくくなるという難点がある。この4.0は、そういった課題も乗り越えたようだ。それも飛躍的な映像技術発達のおかげだろう。

これまでのストーリーでは妻とマクレーンが出てきたが、今回はマクレーンの年齢も上がっていることもあるのか、娘とマクレーンという関係が下敷きになっている。

ただ、難点をいえば、アクションシーンが映像技術の発達のために激しくなっていることも加えて、あまりにマクレーンが不死身すぎること(何度爆発し、落ちているか・・・)。あと、マクレーンが敵だけでなく、一般市民も巻き添えにしてしまうところなんかは、アクションとはいえ良心が痛む。この辺がアメリカ的かな。

この映画を観る際には注意することが1つある。それは映画にカーアクションが多いがゆえに、そのカーアクションに感覚的に麻痺してしまうことである。ブルースリーの映画を観た後に、自分が強くなったかのような錯覚を起こす、アレである。映画館からの帰りの運転ではどうもカーアクションが可能なような気持ちにさせられた。渋滞の中、ほんの隙間でも車が入っていけるんじゃないか、なんて思いを打ち消してばかりいた。帰り道の交通事故には要注意。

| | トラックバック (0)

2007年5月 3日 (木)

マイアミバイス

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%AB/dp/B000I6AN3K

これもDVDでの視聴。

80年代にドラマとして放映され、MCハマーのテーマソングがインストゥルメンタルにも関わらずビルボード1位、とヒットしたこともあって(当時は観ていないが)、リメイクということは自明であった。

人気ドラマのリメイクだから、さぞ面白いかと思いきや、面白くない。何か小道具に凝る監督らしいが、そんなこだわり観ていてもわかねーよ。展開と脚本に凝れよってか。

| | トラックバック (0)

2007年5月 2日 (水)

インサイド・マン

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BD%A5%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3/dp/B000OI1FKM/ref=pd_bbs_sr_2/249-0992274-0669110?ie=UTF8&s=dvd&qid=1178105136&sr=8-2

DVD視聴。デンゼルワシントン主演。銀行強盗のストーリーだが、その銀行強盗が普通じゃない。どう脱出するか?目的は何か?そんなことを考え続けて90分が過ぎる。ただし、ラストの仕上げ方については賛否があろうと思われる。退屈しない映画。

| | トラックバック (1)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

http://www.tokyotower-movie.jp/

原作を超えるか!?

それが今回の鑑賞目的。結論からいえば、超えなかった。樹木希林のオカン起用で、相当力の入った映画・・・と思ったのだが・・・

悪くはない。本を読んだことがなければ、それなりに楽しめたのだと思う。樹木希林の演技もやはりベテランを思わせる。

しかし、しかしだ。オダギリジョーはミスキャストではなかったか?どうしてもオダギリジョーがあの役を演じ切れているとは思えない。彼はリリー・フランキーを演じていたと思う。それは彼に課された役割ではなかった。それが失敗。酷評になるが、私はリリーフランキーの伝記に感銘を受けたわけではないし、リリーフランキーのことを知りたいわけでもない。あの小説には共感する部分を強く感じたのだ。あの小説は誰もが共感してこそ意味のあるものではないか。そして、その中にリリーフランキーのメッセージ性があったのではないか。オダギリはリリーフランキーを表現する演技に徹してしまった。そもそもオダギリは普通の人を演じたことはないはず。共感できる役者ではなく、「普通ではない、個性的」な役柄を得意とする(逆に言うと大根なのかもしれない)し、それを観ている人は、ただ単に「楽しんでいる」のであって、共感しているわけではない。

オダギリを使った方が話題性があった。それだけかな。私だったら・・・と思いつくわけではないが、もう少し優しくない冷たいタイプの方がピッタリくると思う。あえて言うなら松田優作(無理だけど)タイプとしておこう。

さて、この小説、松たか子が演じている人は、実際には「加藤紀子」だったらしい。

| | トラックバック (1)

2007年4月30日 (月)

BABEL

http://babel.gyao.jp/

アカデミー賞6部門7ノミネートということで、絶賛されている作品。日本では、菊地凛子が助演女優賞ノミネートということで話題になった。

アカデミー賞受賞作品というのは、いつもいつも楽しい作品ではない。比較的重い感じで、時には理解不能だったりする。今回もそれに漏れないのだが、しかし、程よい重圧な余韻を残す作品。見応えはある。少なくともブラッドピッドを観ようとしても期待は外れる。

撮影場所は4つ。モロッコ、メキシコ、ロサンジェルス、そして東京。この4つが時間差で進む。(最近、この時間差編集が流行っているのか?最初は同時進行のようにみせて、実は完全な時間差があったという・・・それとも時差?)どれもバベルというタイトル通り、心が通じ合わないことがテーマとして展開する。ただ、残酷に理解しえないまま人間の愚かさを描いた方が映画としては良かったのではないか?との疑問が残る。最後に邂逅していく様はメッセージ性が弱くなったのではなかろうか?

ラストは日本で、役所広司と菊地凛子のシーンで終わりエンドロールに入る。ちなみに、そのラストシーンの音楽は坂本龍一の「美貌の青空」で締めくくられる。坂本の音楽を起用しているのは、私はその曲を知っていたからわかったが、殆どの人は知らないで観ていたのではないかとも思う。クレジットにも出てこないので。監督が坂本のファンらしい。

なぜ、菊地凛子が助演女優賞ノミネートであったのか・・・は疑問。確かに台詞無しで手話だけで演じ、その表情や演技で逆に「心が通じない」テーマの映画に心を表現しているのは、さすが・・・とは思うが・・・でも・・・

| | トラックバック (0)

2007年3月21日 (水)

transporter2

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC2-DTS%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%EF%BD%A5%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%A0/dp/B000H0MKZ6/ref=pd_bbs_sr_1/249-1526259-2074716?ie=UTF8&s=dvd&qid=1174480776&sr=8-1

過剰な期待も無いためか、普通に楽しめるアクションもの。なおかつアクションものにありがちなヤクザのようなダサさが無い。主人公は品がいい身のこなしをするので、観ていても嫌悪感は無い。

| | トラックバック (0)

2007年3月20日 (火)

Dejavu

http://www.movies.co.jp/dejavu/

びっくりしたぁ~。個人的にデンゼル・ワシントン主演の映画はハズレが無い・・・と今までは思ってた。だから観に行った。しかし、これは無い!最悪。

サスペンスかと思いきや、質の悪いタイムマシン映画。タイムマシン映画の醍醐味は、「そういえば、そんな矛盾もあった!」という盲点を突くような展開だと思う。全く盲点を突かない、予想通りの展開にタイムマシン映画の意味を感じ得ない。そういう意味では「バブルへGO!」の方がずっと面白い。

でも、出口調査(話しているのを通りすがりに聞いただけだが)では、「もう一回観なければわからない」と話していた中年女性にまたびっくりでした。

| | トラックバック (0)

2007年3月16日 (金)

DEATH NOTE

http://www.amazon.co.jp/DEATH-NOTE-%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-Last-complete/dp/B000MGBOL6/ref=pd_bbs_sr_1/503-9198834-0334348?ie=UTF8&s=dvd&qid=1174053900&sr=8-1

藤原竜也主演の映画。2本なのでかなり時間を食ったのだが、面白い発想ではある。ストーリー的には、現実離れしすぎているわけではなく、「DEATH NOTE」があったとしたら、その正義とは?という前提は現代に酷似していて滑稽だ。被害者が死刑判決を求める気持ちはわかるが、本当に、被害者意識を基準にしたら、この「DEATH NOTE」のような世界になるであろうと思う。そういう意味で、現代に問題提起をしている。

ただし、映画として残念なのは、ラストシーンの締め方、これは悲惨。昔ながらの日本映画に逆戻りした演出となっているので、ラストシーンには期待せずに観ましょう。

さて、演技だが、藤原竜也は正直なところ、嫌いな男のタイプなので、それだけが気に入らなかったので観るのを躊躇っていたのだが、やはり観たあとも嫌な男のタイプだった(悪役だったからというわけではない)。大変な役だろうなぁ、と感じたのはLの役をやっていた「松山ケンイチ」。上手いのか下手なのかわからないところがあるが、あの若さでは相当役作りには苦労したに違いないし、ああいう役でありながら、観ている者に好感を与える役というのは大したものです。もしかしたらベテラン鹿賀丈史のアシストがそうさせているのかもしれない(鹿賀丈史が上手かったことは言うまでもない)。

| | トラックバック (0)

2007年2月12日 (月)

バブルへGO!!

http://www.go-bubble.com/index.html

バブル期を知っている私にとっては、めちゃくちゃ面白い。もう少し上の40歳くらいは、勤めていたはずだから、もっと楽しめるんじゃないかな?

キャストも、当時では知らない人はいなかった、1980年代代表とも言える元メンズノンノモデルの「阿部寛」、元アイドルの「薬師丸ひろ子」に加えて、現代の若者代表で広末涼子を使うところが憎い。(ちなみに他のキャストとしては、「伊武雅人」も当時ではスネークマンショーなどで大ブレイクしていた。「森口ひろ子」はバラドル(バラエティアイドル)と言われていたが、機動戦士ガンダムZの主題歌歌ってたって知ってた?)

当時の風景やビデオ映像などが出てくるが、どう撮影したのか少し興味がわく。また、鉄骨飲料のCMで「ファンは三度見たら目がつぶれる」と言われていた鷲尾いさこの姿やリンドバーグの姿がチラっと見ることができる。正直、鉄骨飲料ってそんな昔だったっけ?と年寄りじみたことも感じる。

あと、特に吹き出してしまったのは、広末の「ありえなくナイ?」という言葉に対する阿部のつぶやき。確かに阿部の言うとおり。そういうバブル時代と現代のギャップを面白く描いている。

製作スタッフは「踊る~」の製作・君塚、脚本・亀山のコンビだったりする。30代~40代には楽しめるが、それ以外は???わからん。

| | トラックバック (0)

2007年2月10日 (土)

守護神

http://www.movies.co.jp/guardian/

あまり内容を確認しないまま映画館に入ってしまった・・・。だからと言って悪い映画というわけではない。ただ、サスペンスかと思っていたから拍子抜けしたのだ。

導入は以下の通り

死と隣り合わせの危険な任務に当たるアメリカ沿岸警備隊を舞台に、伝説のレスキュー・スイマーと彼に憧れる訓練生との葛藤と絆を描く感動アクション。主演はケヴィン・コスナー、共演に「バタフライ・エフェクト」のアシュトン・カッチャー。監督は「逃亡者」「沈黙の戦艦」のアンドリュー・デイヴィス。
 これまでに200名以上もの遭難者の人命を救ってきた伝説のレスキュー・スイマー、ベン・ランドール。しかしある時、任務中に大切な相棒を失い、心身に深い傷を負ってしまう。現場の第一線から退いた彼は、レスキュー隊員のエリートを育成する“Aスクール”に教官として赴任する。彼はそこで、元高校の水泳チャンピオンだった訓練生、ジェイク・フィッシャーと出会う。軍隊をもしのぐ過酷な訓練で抜群の能力を発揮するジェイクだったが、彼にもまた、消すことの出来ない深い心の傷があった。そんなジェイクに、ベンは本当に大切なものを伝えていく…。死と隣り合わせの危険な任務に当たるアメリカ沿岸警備隊を舞台に、伝説のレスキュー・スイマーと彼に憧れる訓練生との葛藤と絆を描く感動アクション。主演はケヴィン・コスナー、共演に「バタフライ・エフェクト」のアシュトン・カッチャー。監督は「逃亡者」「沈黙の戦艦」のアンドリュー・デイヴィス。

基本的には教官と訓練生という関係なのだが、観ている人がどちらの立場に立って観るかで感想も異なるだろう。私は教官に深く共感しながら観てしまった。これは歳をとったということかもしれない。個人的にはケビンコスナーが妻に語る「あれは私だったんだ」という言葉に痺れた。ケビン・コスナーが格好良すぎ!アクションはそれなりに見応えがあるが、最近では珍しくもなんでもない。

| | トラックバック (2)

どろろ

http://www.dororo.jp/

手塚治虫原作の映画だが、宝塚の記念館に行ったときから気にはなっていた。省略した脚本であることは否めないが、キャストやCGなどはそれなりに妥当だろう。飽きさせない映画ではある。ただ、孫悟空的になってしまっていて、手塚ワールド的ではないなぁ、とも思わせる。あとは脚本だが、本当はもっと奥深いメッセージ性があるものだと思うのだが、それが表面上の映像やキャストに流れてしまい、効果的ではない。まあ、そんなこと言ったら漫画読めって話でしかないけどね。

| | トラックバック (1)

2007年1月 8日 (月)

羅生門・藪の中

http://www.amazon.co.jp/%E7%BE%85%E7%94%9F%E9%96%80-%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%89%88-%E9%BB%92%E6%BE%A4%E6%98%8E/dp/B00006AUUZ/sr=1-1/qid=1168252376/ref=sr_1_1/503-4750284-0805511?ie=UTF8&s=dvd

http://www.amazon.co.jp/%E7%BE%85%E7%94%9F%E9%96%80-%E8%9C%98%E8%9B%9B%E3%81%AE%E7%B3%B8-%E6%9D%9C%E5%AD%90%E6%98%A5-%E5%A4%96%E5%8D%81%E5%85%AB%E7%AF%87-%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B/dp/4167113058/sr=1-1/qid=1168252489/ref=sr_1_1/503-4750284-0805511?ie=UTF8&s=books

リンクは上がDVDで、下が本。最近、芥川に興味を持って、蜘蛛の糸や、南京の基督、ハンカチなどを読んでいたが、羅生門と藪の中を読んで、さらに映画も観たくなった。

不思議なもので、芥川はパラドックス風にメッセージを与える。また、それは芸術のように余韻として残り続けるから強烈であり、普遍的な真理を突いてくる。

さて、それを黒沢が表現するとしたら?という期待を持って今回は観て見た。これをどう表現するのだろうか?それが一番の関心。で、観終わってみると、やはり原作には勝てないという感じがした。芥川は映画のようなラスト(告白)は求めていなかったであろう。あのラストがあることによって、映画は一応丸く収まっている感じはするが、丸く治めないからこそ・・・という悔しい思いがする。黒沢の解釈が施されたというより、ミステリーとして観た場合、そこまでしなければ伝わらないという判断であったように感じる。

DVDはたまたまGEOに中古販売していたから買ったが、映像はかなりデジタル化されており、見やすい。50年以上前の作品とはやはり思えない。

| | トラックバック (0)

2006年10月 1日 (日)

イーオン・フラックス

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4812426251/sr=8-2/qid=1159703353/ref=sr_1_2/250-0870631-7324230?ie=UTF8&s=books

ひどいSF。近未来を描いているのだが、中盤までストーリーは全くわけがわからず、アクションのみで観客を引っ張ろうとするが、アクションにそれほど鮮やかさもない。

その中盤以降が良いのか、と言えば全く陳腐な話で大して面白みは無い。

従って、この映画の見所は、シャーリーズセロンのアクションとファッションてなところか?

| | トラックバック (0)

2006年9月27日 (水)

シリアナ

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FFL4FU/sr=1-2/qid=1159364486/ref=sr_1_2/250-8703982-3919434?ie=UTF8&s=dvd

ジョージクルーニー、マッドデイモンが出演している。

アラブの石油をめぐる陰謀に関係するCIA側、アラブ側、など多角的に観て切り込む社会派サスペンス。これにはCIAの内部告発的な本がベースになっているらしい。しかし、この映画はフィクションだそうだ。

率直に言って難しい(のか分かり難いのか?)。一見バラバラなストーリーが最後には全て繋がっているという立て方(コレ自体は珍しくは無い)なのだが、あまりにバラバラなのでどう繋がっていくかの予想もできない。構成が悪いか?最後になってやっと全て繋がるので、観ている間はあまり楽しめない映画だ。

| | トラックバック (0)

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FAHGQQ/ref=sr_11_1/250-8703982-3919434?ie=UTF8

ジャンレノの映画。話は面白い。基本的にジャンレノの映画はどれも今一歩で好きになれないのだが、この作品はよく練られた脚本だと思う。まぁまぁ楽しめるサスペンス。

ただ1点。トルコ人に対する偏見があるんじゃないかと思わせる。

| | トラックバック (0)

promise

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FJA9D4/sr=1-1/qid=1159363789/ref=sr_1_1/250-8703982-3919434?ie=UTF8&s=dvd

こちらは、チャン・ドンゴンの主演だが、日本では真田弘之が出演したことで話題になった映画。

ストーリーの立て方は面白い。少林サッカーと忍者ものをあわせたような感じがし、特にチャンドンゴンが走るところはあまりのアホ臭さに観ていられる。これが中途半端だったら観ていられなかっただろう。このようなストーリーの立て方はありだと思うが、効果的にはなっていない。

見所は、真田弘之のバカ殿様的な演技と変わらない存在感。なぜ、真田を起用しなければならなかったのかはわからない。日本人でなくても良かったと思うのだが、ある程度、日本のシェアを狙ったのかもしれない。

教訓めいたものや、メッセージというものも無いと思われる。ただの娯楽映画なので、何も考えずに観るべし。

| | トラックバック (0)

spirit

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FFL4FA/sr=1-3/qid=1159363402/ref=sr_1_3/250-8703982-3919434?ie=UTF8&s=dvd

ジェットリーの映画だが、日本では中村獅童が出演したことで話題になった。ストーリーは端折りすぎで、ラストへ向けた脚本のプロットが甘い。だから、ラストでは痛快さが生まれない映画で、やや言い古されたメッセージで終わってしまう。言い古されたメッセージでも感動を与えることができるのが映画なのだが、脚本・演出の甘さからそれは到達していない。それはそうと、ジェットリーのアクションシーンの軽快さは健在ではある。しかしそのアクションだけを観るわけではないのだから、もう少し練って欲しかった。

ただ、1点良い点がある。中村の名演技だ。これはジェットリーを食ってはいないか、と思わせる。オープニングとラストにしか登場しないが、それなりに演じきっていると思う。中国語を話すときは吹き替えだと思うが・・・

| | トラックバック (0)

2006年8月19日 (土)

ミュンヘン

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000EGCTWM/sr=1-4/qid=1155991616/ref=sr_1_4/250-3231090-6013834?ie=UTF8&s=dvd

中東情勢に絡んで、この映画を観た。スピルバーグ監督で、立場をニュートラルにして作っているつもりらしい。しかし、そうはいかない。ある立場に身をおいた者がニュートラルには描けないのだ。

映画の作り自体については、長いのにも関わらず、観客を飽きさせないテクニックを持っている。しかし、主人公の家族を映像でみせることによって、もうスピルバーグの立場は固定されてしまっている。フェアじゃない。また、ラストシーンでスピルバーグが伝えたいメッセージを主人公は発するのだが、これまた陳腐化している台詞を吐いてしまう。

史実をしっかりと掴んでいないと、うやむやに映画を観てしまう。史実がわからなければ全く意味不明の映画になってしまうだろう。面白い映画ではないが、ある立場に偏って描かれている作品という前提で観るなら、なんとか耐えれる。

ちなみに、パレスチナ人監督の「パラダイス・ナウ」という映画は自爆テロに向かうパレスチナ人の心境を描いた作品として海外では話題になっている。しかし、日本公開はまだされていない。日本でも論議になることは間違いない。今年中に公開を予定しているようだが・・・2つの映画を見比べるのがベストなのかな。

| | トラックバック (0)

2006年8月15日 (火)

sin city

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000EXZJ0Y/sr=8-3/qid=1155644122/ref=sr_1_3/503-7792031-4115130?ie=UTF8&s=gateway

正直、面白くなかった。脚本とストーリー性の甘さ。映像美は抜群だと思うが・・・

まぁ、観て損はしないが、期待しない方が良い。

| | トラックバック (0)

2006年8月 1日 (火)

M:i:Ⅲ

この映画、賛否が分かれると思う。今までのMiシリーズを想定して観ると裏切られる。

このシリーズの醍醐味は、個人的に主人公イーサンのスーパーマン的な動きが痛快なのだと感じていたのだが、そこが欠落するのである。すなわち、主人公には結婚があり、教え子があり、仲間がある。その中で問題を解決していく力というものを一貫したテーマにしているのだ。

 特にこのテーマについては狭義の意味では異論は無い。今、アメリカの方向性についても、国のため、とか「(狭義の)平和」のため、とかなのではなく、単純に「仲間のため」「妻のため」「教え子のため」ということが優先されない世界を迎えている中で、このメッセージは大切なものなのだろう。

 ただ、一方で、日本の過去の戦争経験を振り返ると、段階的には後期になるのだが、その「国のため」と「仲間のため」が同一次元となり、「平和や真理に対する信念」との板ばさみにされる政策がとられ、二者択一であった時代を思うと納得しながら見ることはできない。

 また、仲この映画では、間のためであっても、人の命を大切にし、守るためではない。自分の仲間を傷つける者に対してはやはり傷つけるのだ。これは、9・11の構造に読み取れてしまう。それとも、9・11にも同様の罠があると言いたいのか?

 深読みしすぎなのかもしれないが、現在のアメリカがとる方向性の中で、「国家」ではなく、「仲間のために」という個人を守ることへの転換は段階的には必要なのだが、また違う段階に入ると、この考え方は戦争を止めるメッセージにはならない。

 この時代にあって、真理を見極めることこそが必要である。レバノン情勢にライスの動きについては苛立ちを感じるが、所詮、自国利益とのバランスをとろうとする中では、平和を実現させることはできないであろう。

| | トラックバック (0)

2006年7月17日 (月)

アラビアのロレンス

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005MFZO/249-9783437-4192329?v=glance&n=561958

パレスチナ問題の本から時代はまた戻り、1915年前後の話へ。私はどうも、この時代に引き寄せられてしまうらしい。但し、この映画自体1962年(創立記念?)にアカデミー賞を総なめにしたものである。

なぜ、パレスチナ問題からこの映画か、と言えば、パレスチナ問題の一つのきっかけとして「アラビアのロレンス」があるということを知ったからである。名作、と言われつつも観た事は無かった。ストーリー中、イギリスの二枚舌外交、サイクス・ピコ秘密協定などが登場する。その中でロレンスは苦渋を感じながら・・・というのが映画のストーリー。

しかし、それは映画のために美化したものらしい。実際には、イギリスはシオニスト連盟会長(ユダヤ)に対してと、フランスに対して(サイクス・ピコ秘密協定)と、アラブに対しての三枚舌外交であったし、ロレンスは実質的にはスパイ的な役割で当初からその三枚舌外交を知っていたらしい(らしい、というのは本によって書き方の強弱が異なり事実がどうかは私はわからん!)。

映画のみを評価すれば、200分を超える超大作で、正直、疲れる・・・。上記のリンクではDVDを示したが、レンタルにはビデオしかなかったのでビデオで観たということもあるのであろう。しかし、この時代の映像としては、大砂漠で撮影を強行していることを思うと、ご苦労なことであったと思う。また、主人公はロレンスの直系らしく、風貌も似ているらしい(しかし、本人を知らないので似てるかどうかはどうでもいい)。

最後に、ロレンスは英雄として描かれているが、立場や思想の違いであると思うが、英雄として観る事はできなかった。どうも、戦争に肯定的でないだけに、台詞に妙な「違和感」を感じてしまうのだ。イギリス人が観れば英雄に観えるのかな?

追加)スピルバーグはこの映画を観た翌日に映画監督になる決意をしたらしい

| | トラックバック (0)

2006年7月 5日 (水)

スミス都へ行く

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002J577K/qid=1152026867/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-8308091-3082638

あらすじは、アメリカのある州の上院議員が急死したことで、彼を食いものにしていた政財界の大物たちは、青年スミスを議員に仕立て上げる。しかし、彼らの思惑をよそに、理想主義者の彼は、いくたびかの困難を乗り越えながら正義を貫こうとする、というもの。

この作品は、名匠・フランク・キャプラの傑作と言われている古典的名作。1930年代の作品ですが、70年近く前の映画とは思えないくらい古さを感じさせない。

ラストは知っていたので、あまりラストに感動をおぼえなかったが、途中リンカーン像の前で泣き崩れ、そこから再スタートをきる主人公に爽快さをおぼえた。観て損の無い白黒映画です。

| | トラックバック (0)

2006年6月23日 (金)

ロード・オブ・ウォー

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000ENUYRW/249-0214980-1529137

実在する武器商人の話をもとに製作された映画。アンドリューニコル監督、ニコラスケイジ主演の映画で、この種の映画はピカレスク映画と呼ばれる。ピカルスク小説と言われるものは「虚構の自伝形式をとり、下層階級出身の主人公が次々と事件に出会い、異なる階級の人たちに接するという形式」の小説を言うので、ピカレスク映画と呼ぶらしい。

ニコラスケイジの作品は駄作もあるし、秀作もある。映画館に観に行くとしたら、結構な博打となる。この映画はあまり話題にならなかっただけに、戦争の脇役を描いた半分アクション映画というような中途半端な駄作の部類と予想していた。

しかし、この映画は基本的には平和を主張する映画で、前半は退屈であるが、後半はユーリー役であるニコラスケイジの葛藤がよく表現されていると思う。また、戦争の構造的な矛盾をついている映画でもある。特に、ラストシーンとエンドロール直前のコメントは戦争パラドクスの滑稽さをわかりやすく伝えている(これは沖縄の米軍基地以上の矛盾がある)。それをニコラスケイジが真面目に話すところに可笑しさを感じる。

スカッとする映画でもなく、スピード感があるわけでもない。賛否両論があり、この映画があまり話題にならなかったのも頷けるが、基本的には秀作だと思う。

| | トラックバック (0)

2006年6月12日 (月)

ダビンチコード

この本自体は1年半ほど前に読んだのだが、今回改めて、映画を観た。

 映画の方が深みが無い。一人ひとりの人物像の描き出しが弱い。当然時間制約があるのだから仕方ないのであろう。多少変わっている部分もあったのだが、脚本の大筋に変更は無い。

 この映画については、よく尋ねられる。本だけでも質問に対しては答えられるのだが、観た人が、どの場面で何を感じたのかは私も興味がある。それで観たのだが、観ていて気付いたことがあるので、このストーリーに使われているトリックについて触れておきたい。

1.ダビンチという人物については、殆どは知らない。しかし、モナリザを描いた「偉い人」だという知識は学校で教えられる。さらには、なんでモナリザが凄いかということも殆どの人は知らない(一部の美術を専門とする人は別としても・・・)。そこにトリックがある。ニュートンも出てくるのだが、なぜか人は「偉い人」の考えていることは「正しい事」というわけのわからない結論を出しがちである。これを妄信と言う。ダビンチやニュートンは思想家でも哲学者でもない。いずれも広義の科学者だ。科学的に聖書を読んでいたことは容易に想像できる。従って、ダビンチが信じたことは正しい事と結論付けるのは誤りである。

2.最後の晩餐・・・この絵を用いて、あたかも聖書の言っていることを表現している絵のように説明するのだが、「最後の晩餐」は「写生したわけではない」ということである。どこに横一列で食事をする者があろうか?絵にぶどう酒が描いてないから、最後の晩餐ではぶどう酒を飲まなかった、と結論付けてしまうのもおかしいのだ。「ダビンチはそう考えていた」ことの確認に過ぎない。(ちなみに、ニュートンのAppleという単語を使っているが、リンゴが木から落ちたことで万有引力を思いついたというのは、ただ単に、ニュートンの部屋の窓からリンゴの木が見えたというだけで作られた話。)

 この2点を中心に据えて、読むなり観るなりしてもらいたい。私は、ダビンチコードに関しては否定はしないが、肯定もする気はない。その研究はやりたい人がやってくれ、という考えだ。

 聖書を読む上で、科学者はいくつかの過ちをおかす。それは「真理=真実」という捉え方をしていることである。真理と真実の区別ができなければ、聖書を信じるということは、ただ聖書の中の「世界観」を信じるに過ぎないし、それは信仰ではない。聖書には天動説が書かれているし、男尊女卑の世界でもある。矛盾もある。何も科学的に証明されていない時代であるから、そういった記述になることは必然であろう。そんなことを信じても仕方の無いことだ。キリスト者というのは(少なくとも私は)そういう世界観を信じるのではない。その世界観を突き崩そうとしている人たちがおり、残念ながら、その世界観を崩されることを恐れているキリスト者もいる。

 良い例がアメリカの「進化論」教育論争だ。時代遅れも甚だしい。この議論は、日本では明治時代に内村鑑三が新聞紙上で激論を交わしている。日本では既に議論し尽くされているのだ。それは幸いにも、違う世界観(神話)が日本にあったからで、聖書に書かれていることをそのまま真実ということには、ならなかったからであろう。しかも札幌バンドの面々は農学を専攻し、科学者的な素養を持っている。そして、宮部金吾は植物(生物)学者。この問題は日本では初期段階で消化させていた。

真理と出会うことは、真実を見つけることとは異なる。魂の解放は真実では解決できないのだ。見えない神の手に自分が手を伸ばすことによって真理が与えられ、解放される。

 ただ、キリスト教の弁護みたいになっているので付け加えておくが、歴史上、一番悪いことをしたのはキリスト教であるし、良いことをしたのもキリスト教である。キリスト者だから正しい人ではないし、キリスト者だから悪い人なのでもない。戦争が絶えないのは、そういう事実認識が無いからでもある。「キリスト教を信じている人」が正しいと考えてしまうと、他宗教が誤りだと盲目的になる。これはキリスト教信仰ではない。キリスト教を信じるのは、「キリスト教団体」が正しいからではないし、「キリスト教を信じている人」が正しいからでもない。キリスト者というのは神が正しいと信じるのであって、信じている自分が正しいと信じてはいけないのだ。

 第二次世界大戦を経て、日本はその辺の分別ができていると思う。「信教の自由」というのは天皇制に反対するためにあるわけではない。自分と信条が異なったとしても、あらゆる信条を尊重することが、自分の信条を守ることだということを歴史的に知っているのだと思う。

| | トラックバック (0)