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2008年12月31日 (水)

The Day the Earth Stood Still

http://movies.foxjapan.com/chikyu/

邦題は「地球が静止する日」

キアヌ主演とあって、宣伝も過剰だったので観たのだが、これはやばい。映像と演出はいいとして、ストーリー立てが弱い。リメイクだが私は原型を知らない。

ただ、アメリカの敵か味方かの二項対立での思考回路を批判していることもあり、それほど見苦しくはない。鉄人28号がやや興醒めかなぁ。

この映画の一番の見せ所としてのシーンはキアヌが気を変えるところだと思う。ここが上手く伝われば、この映画は絶賛されたに違いない。しかい、あいまいで、気付かぬまま通過する可能性が高い。そのくらいインパクトの無いシーンとなってしまった。むしろキアヌがどっぷりと人類の生活に浸かり、キアヌの魔術(?)も利用しながら、その中で見出したものや気づきを前面に出した脚本が望まれた。

環境問題という観点で観る人もいるのだが、環境問題は何一つ出てこない。そのことはいいが、人類の心の問題が破滅に追いやっていることをキアヌが問題にしているーそんな観点でも観れないことないので、問題点を明確にすべきであっただろう。

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Body of Lies

http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/

邦題は「ワールド・オブ・ライズ」

邦題をつけた人は完全にこの映画を読み違えている。それともわざと?宣伝は騙し合いを前面に出したスパイアクションを売りにしているのだが、そうではない。

中東を背景にした騙し合いの映画・・・といえば、ただのアメリカ万歳のテロ撲滅映画かと思われるかもしれないが、そういう「正義」を盾に支配を目論むアメリカを否定した映画。メッセージ性としては少々古い。これはイラク派兵の時期にぶつかればたいしたものであったが・・・。

演出的には、風景のスケールのでかさと、衛星監視を煙に巻く(正に煙に巻くのだが)シーンは「なるほど」と思わされる。ディカプリオはあまり好きな俳優ではないのだが、その拷問シーンに至る愛情表現と迫真の演技は見応えがある。

ただ、映画会社は大した宣伝もせず、あまり売り込もうという意識もなさそうだ。

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2008年12月29日 (月)

東京スタンピード

http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%89-%E6%A3%AE-%E9%81%94%E4%B9%9F/dp/462010731X/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1230488461&sr=8-4

森達也は「世界が完全に思考停止する前に」を読んではいるが、小説も映画も知らない。彼を嫌いなわけではない。むしろ共感することが多かった。知人の薦めでこの小説を読むこととした。

さて、この小説だが、かなり面白い。恐らく彼は思考停止の構造をメッセージとして伝えたいのではないかと思う。平均と標準の違いもなかなか面白い。実は統計学ではデータの代表値として平均、最頻値(モード)、中央値、分散、標準偏差それぞれがわかることとわからないこと、という特徴をもった代表として扱われる。一方、マスコミの調査する世論というものは、たいてい平均値をとられてしまうことは確かで、その平均値に世論が擦り寄っていく現象が起きていくことも確かだ。「9と1の平均値」と「4と6の平均値」が同じであることに案外気付いていない。日本人は統計・数値に弱いし、数値で物事を考えるのが嫌いだ。

アメリカの良し悪しは置いておいて、多民族国家の中では相互に理解しあえるルールが必要であったことから、数値というルールをたてることが多くなった。それが行き過ぎて、今年の経済破綻を起こしていることも事実だが、価値観が単一になると、そういったルールに悩むことなく、「常識=平均値」としてルールの確立が難しい状況を生み出しているのではないだろうか。

思考停止は、同じ価値観の集団・組織から生じる。マスメディアの価値観は多様でなければならない。左傾化して自分にあってるからこの雑誌はいいとか、右傾化しているからこの新聞は悪い、ということなのではなく、多様な価値観が発信されていなければ、国民は思考停止になる。そういう意味ではメディアの中でしっかりとした「対話」ができなければならない。テレビで喧嘩になるから同じ思想系をテーブルに並べて会話するテレビではダメだろう。しかし視聴率は上がんねーだろうなぁ・・・

但し、この本は、かなり社会問題に精通していなければ場面場面で出てくる問題が繋がっていかないのではないかとも思える。

小説の評価よりも、メッセージとして発している「思考停止」について述べてしまったが、急激に豹変する民衆についての記述が不足しており、観方によってはリアリティが無いSFにも読みとれてしまう。

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2008年12月22日 (月)

親子という病

http://www.amazon.co.jp/%E8%A6%AA%E5%AD%90%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%97%85-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%A6%99%E5%B1%B1-%E3%83%AA%E3%82%AB/dp/406287962X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1229930682&sr=8-1

久し振りの香山リカ。

いつも思うことだが、色々な社会問題を単純化してい観るところがあり、本を読んでいて引っかかるところが無い。この人の言っていることが悪いという気はないのだが、著書に深さが無いことが気にかかる。新書を読んでいて、考えた気がしないのは気のせいか?

しかし一方で、この両親賛歌については疑問はやはりある。単純に親子関係の良好を喜んでいいのか、それとも自立できない若い世代を嘆くのか。私の世代では考えられないことだし、もう少し自分の夢のために親を犠牲にする精神があってもよいのではないかとも思う。

この現象について、一つの観点として捉えて読んだ方が良いであろう。

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2008年12月20日 (土)

果断―隠蔽捜査〈2〉

http://www.amazon.co.jp/%E6%9E%9C%E6%96%AD%E2%80%95%E9%9A%A0%E8%94%BD%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E3%80%882%E3%80%89-%E4%BB%8A%E9%87%8E-%E6%95%8F/dp/4103002522/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1229783553&sr=8-1

非常に面白い。今野敏の作品は3作目だが、通常の警察サスペンスとは異なり、かなり込み入った人間関係を見事に描き出している。

事件そのものの捜査状況も気にはなるが、それよりも人間関係の進展があることに関心が惹かれ、つい没頭して読んでしまう。それほど評価されている作家ではないようだが、かなり評価していい気がする。

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2008年12月15日 (月)

アキバをプロデュース

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%90%E3%82%92%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9-%E5%86%8D%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%885%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E8%BB%8C%E8%B7%A1-%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%96%B0%E6%9B%B8-035-35/dp/4756150551/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1229269607&sr=8-1

かなり刺激的な本。街づくりの軌跡を綴っている。どんな商売をするか、というマーケティングの域を超えて、地域開発となる街づくりをプロデュースするには思想が必要だと実感する。この思想の無い、私欲に埋もれたプロデュースがなんと多いことか!?

2度開眼した本。

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2008年12月14日 (日)

誘拐ラプソディー

http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%98%E6%8B%90%E3%83%A9%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC-%E5%8F%8C%E8%91%89%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%8D%BB%E5%8E%9F-%E6%B5%A9/dp/4575509701/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1229243251&sr=8-1

かなり、いつもとは異なるチョイスの本。変わった小説が読みたくて店頭で適当に買ったものだが、かなり変わっている。

実は、読み進まなかった。ギャグで書いているのか小説にしては無駄な記述が多いので読んでいて苛っとする。

それでも最後までたどり着いたのはストーリー設定の良さだろう。誘拐した子どもの親が暴力団という設定は、先の展開が読めない。様々な可能性を広げるために期待も高まる。

おもしろかった・・・とは言えないが、まぁ、悪くはないだろうというレベルの本。

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2008年12月 2日 (火)

隠蔽捜査

http://www.amazon.co.jp/%E9%9A%A0%E8%94%BD%E6%8D%9C%E6%9F%BB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BB%8A%E9%87%8E-%E6%95%8F/dp/4101321531/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1228223487&sr=1-1

「神南署安積班」がおもしろかったので、今野敏著の小説をもう少し、と思いさらに読んでみた。この本は「吉川英治文学新人賞受賞」作品のようだ・・・

ようだ・・・というのは、「帯によると」なのだが、この帯が紛らわしく、曲者だ。作家がある作品で受賞するとすべての出版済みの本に帯をかけてどれが賞をとった作品なのかわからなくする。騙されて買う場合もあって、がっかりし、もう、その作家は読まなかったりする。出版社の魂胆丸見えなのだが、逆効果もあることに気付いていない。どうにかしてもらいたい。

で、この作品だが、なかなか骨のある作品になっている。最初の方では、果たして主人公に共感できるのだろうか、と不安になったが、1/3ほど進むと、かなり最初の段階で主人公を誤解している私に気付いたりする。

隠蔽しよう、しよう、として雪だるま式に隠蔽が重くなっていく、そんなことはよくあることだ。そこを突破する、自分を超える精神力と弱さを強さに変えていく力-それを示してくれている作品。

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神南署安積班

http://www.amazon.co.jp/%E7%A5%9E%E5%8D%97%E7%BD%B2%E5%AE%89%E7%A9%8D%E7%8F%AD%E2%80%95%E6%96%B0%E3%83%BB%E5%AE%89%E7%A9%8D%E8%AD%A6%E9%83%A8%E8%A3%9C%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B9-%E4%BB%8A%E9%87%8E-%E6%95%8F/dp/4766930800/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1228222857&sr=8-1

久々の書き込みです。ここしばらく、兆時間パソコンと睨み合って仕事をすることが続き、本を読むということから離れた。読んでなかったわけではないのだが、これまで休みの日は本を一日中読んでいることもあったのだが、それが無くなり、ペースが落ちたというべきだろう。パソコンと睨み合っていたのは、ビデオ作製と広報誌作成。なぜ、こんな仕事が立て続けにあるのか、その異常さに私も仰天しているが仕方がない。ここ3週間ほどの休日は全てこれに費やした。

さて、本だが、この本はそんな中で、あまり難しい本は読む気はせず、店頭で軽いミステリーをチョイスしたつもりだった・・・

つもりだったというのは「山本周五郎賞」をとったことに加えて「日本推理作家協会賞」をとった作家だったからにすぎない。この帯に誘導された。

結果どうだったのか、というと。結論は「面白い!」。しかし、これは推理小説でもミステリーでもない。警察署を舞台にし、事件を仲介しながら職場の軋轢や不信をドラマにしたという感じ。この人の心を描く描き方がおもしろい。

それなりに私も職場の人間関係に悩む者だが、解決のヒントを与えてくれる一冊。

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